知的財産ニュース 知財権の審判処理期間を1カ月短縮すれば3千億以上のコスト削減が可能

2015年3月2日
出所: デジタルタイムズ

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特許など知財権の審判処理期間を1カ月短縮すれば、3,000億ウォン以上の費用削減効果が得られるという調査結果が出た。

2日、韓国知識財産研究院の「審判処理期間の短縮による社会・経済的効果の分析」に関する研究報告書によると、審判処理期間を1カ月繰り上げれば、特許(実用新案を含む)は1,479億ウォン、商標は837億ウォン、デザインは891億ウォンなど、合計3,207億ウォンの費用削減効果が得られるという。

要するに2010年から2014年まで特許は1.2カ月(10.6→9.4カ月)、商標・デザインは1.8カ月(9.1→7.3カ月)それぞれ審判処理期間が短縮され、特許は1,775億ウォン、商標1,507億ウォン、デザイン1,604億ウォンと、合計4,886億ウォンの経済的効果を上げたことになる。

それと共に適切だと思う審判処理期間を問う調査では、決定系(審査官の拒絶決定に対する是非を判断する審判事件)の場合、特許は3カ月ないし10カ月、商標・デザインは3カ月がそれぞれ適切だと答えた。一方、当事者系(無効審判など、相互が争う審判事件)の場合、特許とデザインは6カ月以内、商標は3カ月以内だという回答が最も多かった。

適切な審判処理期間に対する経済的分析では、特許と商標が6~7カ月区間、デザインは5~6カ月区間において投入比算出効率性が最も高いことが分かった。しかし、特許は9カ月以上、商標とデザインは7カ月以上から効率性が急激に低下するという。

キム・ボムテ副研究委員は、「知財権の審判処理期間の短縮に対する重要性は認知していたが、社会・経済的効果を分析した研究は今回が初めてだ。長期間の審判処理による権利化の遅延は、個人・企業の経済的費用はもちろん、国家的費用も誘発するだけに、知財権の早期権利化と当事者間の紛争を早期に解決するため、審判処理期間の短縮に力を入れなければならない」と述べた。

今回の調査は、2009~2013年まで知財権審判を経験したことがある企業の知財権専門家175人を対象にオン・オフラインのアンケート調査を実施して行った。

イ・ジュンギ記者

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