知的財産ニュース 特許庁、2015年度上半期特許技術賞を授与

2015年6月19日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、6月18日午後2時、韓国知識財産センターにて開かれた2015年度上半期特許技術賞の授賞式で、マグナチップ半導体のユ・ユシン、オ・ボソク研究院が共同で発明した「半導体素子及びその製造方法」を栄誉の世宗大王賞に選定し、発明者には700万ウォンの賞金を授与した。

同技術は携帯電話やTVなどのディスプレイの駆動回路に使用される中核技術であり、駆動電流と降伏電圧を維持しながら集積度を大幅向上させることで、従来の技術に比べチップの大きさは50%、性能は10倍を実現させた革新的発明と評価された。

マグナチップ半導体は同技術を適用した小型ディスプレイ、アモレッドモバイルフォン制品で、昨年だけで1,000ドル以上の売上を記録しており、今後TV,モニターなど大型ディスプレイ分野への拡大が見込まれる。

忠武公賞には、(株)セルバイオテックのチョン・ミョンジュン代表が発明した「多重コーティング層を持つ乳酸菌及びその製造方法」が選ばれた。多重コーティング技術を利用して乳酸菌を腸まで安全に到達させ、体内で安定的に維持させる技術である。この技術を利用した乳酸菌制品は、乳酸菌の本場であるデンマークを始めとする欧州及びアジア市場で大ヒットし、昨年404億ウォンの売上を出した。

池錫永賞には、(株)コムエクスアイのアン・チャンフン代表が発明した「USBポートロック装置」が選ばれた。USBポートを物理的にロック・解除しデータの流出を根本的に防止する装置であり、セキュリティの重要性が増している今日、注目すべき技術だ。

もう一つの池錫永賞には、ジョイシアジンジのビョン・ドンホ代表が発明した「芝の新品種、眞芝(Gin gi)」は緑葉期間が長い上、3cm以上は伸びないという長点を持つ。芝刈りが要らない新品種として芝の市場に活力を与えるものと期待される。

デザイン部門の丁若鏞賞には、(株)ミロのソ・ドンジン代表がデザインした「加湿器」が選定された。これまで細菌の温床だった水箱をなくして水に浮かばせた構造となり、各部品の分離や組立も容易になった。人体への有害性が指摘されていた殺菌剤を使用せず、だれでも簡単に洗浄することができることや流線形の外観という面で好評を得た。

今年上半期特許技術賞は3月4日から4月3日までの間、計160件の受付が寄せられ、平均17.8対1の高い競争率となった。

特許技術賞の受賞者には賞金とともに体系的な創業支援プログラムへの参加機会を与える。また、授賞者には特許技術賞の授賞マークも提供し、授賞された発明の事業化のためのマーケティングをサポートする予定だ。

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