知的財産ニュース 出願書類返還制度、7月1日から施行

2015年6月17日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、政府の国政課題「非正常の正常化」の一環として、出願人の申請により提出された書類を返還する「出願書類などの返還申請に関する告示」を7月1日から施行すると発表した。現在、出願関連書類を提出した後、出願人が自ら申請を取り下げる手続きはない。

※参考事例

医薬品開発企業A社は新たに開発した新薬の特許を出願した。出願過程において特許をB社に譲渡するため、権利関係変更申告書を提出した。ところが、ある事情によって特許を譲渡する必要がなくなり、特許庁に提出した権利関係変更申告書の返還を要請した。A社は、権利関係変更申告書がまだ審査をうけていなかったので申請をすれば当然返還を受けられると思った。しかし、現行の制度では返還の根拠がないため返還はできないという返答が返ってきた。結局、当該特許出願はB社に譲渡された。A社は、やむを得ず新薬の特許出願をA社の名義に変えるためにB社の協力を得て再び出願人の名義変更をしなければならなかった。

今回施行される返還制度により、出願人は特許出願時に提出した書類の中で、権利関係変更申告書、代理人に関する申告書、書類提出書、情報提出書、手数料事後減免申請書については特許庁に変換を申請することで返還を受けられるようになる。書類の返還を希望する出願人は特許法施行規則第8号書式「書類返還申請書」を特許庁に提出すれば、書類の返還を受けることができる。

ただし、出願人が出願書類の返還を受けるためには、書類に対する方式審査が実施される前までに返還申請をしなければならない。また、今回の返還制度は特許及び実用新案に関する書類に限って適用されるものであって、商標及びデザイン関連書類は除外される。商標及びデザイン関連書類に対する返還制度は、関連法令の改正後施行される。

特許庁のチャン・ワンホ情報顧客支援局長は「今回の告示制定は非正常的な慣行の正常化という意味を持つ。国民の立場に立って出願人が提出した書類について自ら返還を申請する手続きを整備することで、出願人が費やす時間と費用の削減など、特許行政の利便性向上につながることを期待する」と述べた。

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