知的財産ニュース LGディスプレー、特許競争力の確保に必死

2015年3月3日
出所: デジタルタイムズ

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LGディスプレーが主力事業の有機EL(OLED)部門を中心に特許競争力を強化する動きを見せている。

3日、業界によると、LGディスプレーは、国内・国外市場において発生し得る特許紛争への対応力を備え、特許技術を確保するため、昨年3月、ハン・サンボム社長の特別指示に従って米国に特許管理専門会社を立ち上げた。

会社側の説明によると、米ノースカロライナ州に立ち上げた特許管理専門の子会社、Unified innovative technology(UNIT)を介して、多数のLCD・OLED特許技術を購入している。

LGディスプレー関係者は、「グローバル有機EL市場をリードする企業として、今後、商品に適用する特化した技術を確保するために子会社を設立した。特許は、韓国で直接管理するより、特許保護に向けた制度的装置が体系的に整っている‘特許天国’の米国において管理した方が特許保護およびソーシングの効率性向上に役立つ」と述べた。

UNITは、LGディスプレーが100%出資した子会社で、LGディスプレー単独で特許管理子会社を立ち上げたのは、今回が初めてだ。

LGディスプレーは、2009年、有機ELテレビ市場のシェアを先取りするため、有機ELに関するオリジナル技術を保持していたイーストマンコダック社の特許権を買い取り、LG電子と共同で関連特許を管理する特許運営合弁会社を米国にて設立した。

LGディスプレーは、有機EL材料業者との特許ライセンス協約も加速化させている。

会社側の説明によると、高性能有機EL材料の安定的な供給先を確保し、フレキシブルおよび透明有機ELを開発するなど、次世代ディスプレー市場の主導権を握るための戦略だという。

同社は、昨年12月に出光興産、今年1月に米UDCと「有機EL技術の相互協力および関連特許ライセンス協約」を相次いで締結した。

このような動きに対して業界では、これまでサムスンディスプレーと有機EL技術流出攻防戦を激しく繰り広げてきた同社が、国内・国外における技術流出への対応力を高めるため、特許という「盾」の強化に乗り出したと見ている。

国内ディスプレー業界を率いる両輪であるサムスンディスプレーとLGディスプレーは、2012年から技術研究陣と役員が絡まれた有機EL技術流出攻防戦を持続している状況だ。

先月6日、水原地方裁判所がLGディスプレーの役・職員に対してサムスンディスプレーの有機EL技術流出に関して罰金刑を言い渡した。同月13日には、サムスンディスプレーの役員とLGディスプレー協力会社の社長などが有機EL技術流出の疑いで在宅起訴されることもあった。

一方、LGディスプレーは、2014年9月末基準で、国内特許1万2,944件、海外特許1万2,971件を保持している。サムスンディスプレーの国内特許は、1万66件、海外特許は1万6,598件だ。

キム・スヨン記者

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