知的財産ニュース 海外知財権紛争、迅速な初期対応が必要

2015年3月2日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、日本、香港、イギリスなど22カ国の現地で知財権紛争に巻き込まれる韓国企業を迅速に支援すべく、「海外知財権紛争の初期対応支援事業(以下、初期対応事業)」を3月から運営する。

主な紛争国など22カ国に対する知財権諮問などが可能な国内・国外の専門法律事務所37社による専門家プールを構成し、知財権紛争の予防および対応に向けた法律諮問および侵害調査を支援する計画だ。
※日本、台湾、オーストラリア、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、ブラジル、香港、シンガポール、インドネシア、ロシア、南アフリカ共和国、ニュージーランド、オランダ、メキシコ、アラブ首長国連邦、チリ、トルコ、デンマーク、レバノン、エルサルバドル

※海外知識財産センター(IP-DESK)が設置された5カ国(中国、米国、タイ、ベトナム、ドイツ)は、現地のIP-DESKを介して法律諮問および侵害調査の支援を受けられるため、重複支援を防止すべく、初期対応事業の支援対象国からは除外する。

支援対象は、海外に進出(予定)する中小・中堅企業で、韓国企業の海外出願などの現地知財権の確保、知財権紛争に関する警告状への対応および模倣品の取り締まりなどに向けた法律諮問および侵害調査にかかる費用の一部を支援する。

法律諮問は、所要費用の50~70%まで年間最大4件を支援し、侵害調査は所要費用の70%まで年間1回1千万ウォン上限で支援する。

また、同事業の支援を受けた企業が紛争の拡大により長期対応が必要になる場合には、「国際知財権紛争のコンサルティング支援事業」を連携申請すれば、総合的・体系的な紛争対応コンサルティングを受けられる。

プレミアム健康飲料を世界150カ国に輸出しているグローバル企業(株)OKFのイ・ヨナン代表理事は、「特許庁の支援事業による迅速な警告状対応で、レバノン現地の供給業者による商標の無断先登録を取り消すことができた。今後も海外での韓国企業の知財権を保護するためには、グローバル市場を対象とする政府の支援が必要となる」と述べた。

(株)OKFは、昨年7月、自社の商標をレバノンで出願する過程で、現地の供給業者が自社商標を無断に先登録した事実を確認し、初期対応支援事業による迅速な警告状対応(2回)で、現地供給業者の商標登録を取り消した。

特許庁産業財産保護協力局のクォン・オジョン局長は、「海外知財権紛争による被害を最小限に止めるには、迅速な初期対応が第一だ。同事業が韓国企業のグローバル展開および国際知財権保護に向けた安全な土台になることを期待している」と述べた。

初期対応事業の支援費用および限度などの詳細については、「国際知財権紛争情報ポータル(IP-NAVI、www.ip-navi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で確認できる。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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