知的財産ニュース 自動車走行技術に関する特許出願が着実に増加

2015年12月7日
出所: 韓国特許庁

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自動車が目的地まで自ら運転することで搭乗者の運転ストレスを軽減させる、いわゆる「自律走行車時代」が到来している。

グーグルのグーグルカーは、一般道路走行実験を始めた2010年以降6年間自律走行モードで約195万kmを走行した他、韓国の現代起亜車グループを含む自動車メーカー各社もこぞって自律走行車の商用化を2020年に前倒しするとしている。

これに伴い、関連技術の開発や特許出願も活発化している。

特許庁によると、自律走行関連技術は2001年に23件の特許出願が公開された後、2015年に208件に達し、2007年から2015年まで年平均21.8%と急増している。

主な出願人には、情報通信分野の韓国電子通信研究院(107件、8.36%)、サムスン電子(37件、2.89%)、グーグル(12件、0.93%)、自動車分野の現代自動車(48件、3.75%)、マンド(22件、1.72%)、現代モビス(19件、1.48%)、その他に国防科学研究院(67件、5.23%)、KAIST(32件、2.50%)等が多出願順位でトップ10入りを果たしている。

出願の多い主な技術分野としては、センサー/地図技術(43.1%)、走行ルート制御技術(29.6%)、インターフェース/端末技術(11.2%)、通信/ネットワーク/セキュリティ技術(10.6%)、操向/アクチュエーター技術(5.5%)等がある。

注目すべきなのは、国内出願人がPCT国際特許出願を利用するケースは出願全体の3.22%に止まっているのに対し、唯一の外国企業であるグーグルは、韓国に出願した12件いずれもPCT国際出願を利用していたということだ。

スマートフォンを巡る特許紛争の経験から見て、国内企業も今後発生し得る国際的特許争に備え技術開発に取り組むと同時に、グーグルの出願戦略のようにPCT国際特許出願制度を有効活用し、海外の知的財産権の確保にも努めなければならない。

特許庁のチャン・ワンホ特許審査企画局長は「自律走行は、車の概念を単純な移動手段から新たに創出される生活・事務空間へと変えるという点で、スマホに続き21世紀における新たなイノベーションになると予想される。国内企業がイノベーション技術のグローバル特許戦略を策定する際に、PCT国際特許出願のような制度を有効活用できるよう、サポートしていきたい」と述べた。

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