知的財産ニュース 英 特許法院「サムスン、Unwired Planetの特許を侵害」

2015年11月25日
出所: 電子新聞

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韓国のサムスン電子と中国の華為技術(ファーウェイ)がUnwired Planetが仕掛けた特許攻撃に巻き込まれている。

今月23日海外メディアによると、英国特許法院はサムスン電子と華為技術がUnwired Planetの保有する無線通信関連特許を侵害したとの判決を下した。サムスンは、これまで蓄積してきた特許関連能力を尽くして対応するとの立場を示した。

Unwired Planetは、サムスン電子と華為技術がスマートフォン製造過程でLTE48標準必需特許(SEP)を無断使用したとして去年9月英国の特許法院に提訴した。

ジャスティス・ブリス判事は、「当該技術は、無線通信ネットワークのための通信回線接続制御方式であるポーリングシステムと関連があり、4G通信に必需的」としてUnwired Planetの主張を認めた。両社とともに提訴されたグーグルは判決前に和解した。判決の内容は文書で発行された後、ウェブサイトに公開される。

今回の判決により、サムスン電子と華為技術はUnwired Planetに賠償金を払う可能性が高まった。賠償額は今後の裁判で決まる。次の裁判は11月末又は12月初めに開かれる予定だ。

この日、Unwired Planetのナスダック株価は18.44%も上昇し2014年3月以降最高値を記録した。

サムスン側はUnwired Planetとの侵害訴訟に自信を示していたとブルームバーグは報じた。

サムスン関係者は「サムスンは数十年にわたる研究開発で作られたものを証明するため、最善の方法を尽くす方針」と述べた。

一部では、今回の訴訟の裏側にスウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン(Ericsson)があるとの声も出ている。世界通信装備市場で1位となる華為技術と、英国を皮切りに欧州市場進出を本格化したサムスン電子をけん制するためだという。

エリクソンは今回の特許訴訟に直接係わらず、Unwired Planetを前面に立たせた。同訴訟に先立ち、エリクソンは2013年と特許管理専門会社(NPE)であるUnwired Planetに無線関連特許2,185件を渡した。エリクソンが2014~2018年に獲得する100余りの特許まで含めた。
エリクソンは、2012年にも米国でサムスン電子を相手取って特許訴訟を起こしたが、2014年1月サムスン電子がエリクソンに技術使用料の支払いに合意することで終結した。

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ユ・チャンソン yuda@etnews.com

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