知的財産ニュース 公正取引委員会、クォルコム携帯電話に係る特許権乱用調査結果は…

2015年4月20日
出所: デジタルタイムズ

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公正取引委員会がクアルコムに対する公正取引法違反容疑に関する調査を終了し、課徴金規模と制裁方策を講じている。クアルコムが妥当な是正方策を提示する条件で公正取引委員会において課徴金規模について一定部分を縮小するものと見える。

業界によると、20日に公正取引委員会は昨年から行ってきたクアルコムの市場支配力乱用行為に対する調査を終了させて今後の対策を論議している。これまで公正取引委員会はサムスン電子、LG電子、パンテック等からロイヤルティ支払いに関する内訳関連書類の提出を受け、これを基に公正取引委員会はクアルコムコリア関係者を数回にわたり召喚した。

公正取引委員会は、これに先だって中国政府が市場支配力乱用を根拠にクアルコムに60億8800万元(1兆613億ウォン)の罰金を賦課した前例を考慮して課徴金規模を算出する予定である。業界によると、クアルコムは韓国企業を対象に携帯電話価額の5%台前後に達する特許手数料の収入があったものと伝えられる。

公正取引委員会は昨年末から知的財産権等の特許権を乱用する特許管理専門会社(NPE)と標準必須特許権者を処罰できる根拠を備えるなど本格的な監視活動に突入した。公正取引委員会が特許乱用行為と見做す類型は標準特許を通じた横暴、独占力の乱用、フレンドリー原則違反等であり、クアルコムはこの3つの容疑に全て該当する。

しかし、業界では公正取引委員会が中国のように、クアルコムに対し高いレベルの課徴金を賦課する可能性は低いものと判断している。クアルコムが公正取引委員会の課徴金処分に不服する場合は事案が高等法院に移管されるが、この場合には事案が長期化するだけではなく、ややもすると米国との通商摩擦も生じる可能性がある。

公正取引委員会関係者は、「海外のグローバルIT企業に対する調査を行った事例が多いが、公正取引委員会の制裁に不服し高等法院まで移管された事例はあまりない」とし、「通常は一定水準で(協議を行い)うまく解決している」と説明した。

公正取引委員会が昨年から行ってきたオラクル、IBM、マイクロソフト(MS)等に対するライセンス政策関連調査が音沙汰もなく終結したものと同様の脈絡である。オラクルの場合はソフトウェア(SW)ライセンス政策に対する韓国国内企業の請願が相次ぎ、公正取引委員会のターゲットになったが、これもまた円満な合意に達したものと伝えられる。

IT業界の関係者は、「公正取引委員会の立場としては、課徴金賦課又は制裁の根拠が不明確な時には、大乗的レベルで外国系企業と一種の合意を導きだすことができる」とし、「オラクルが今年韓国国内で人材を大大的に新規採用したのも企業の社会的義務に対する暗黙的な圧力があったからとみられる」と説明した。

ファン・ミンギュ記者

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