知的財産ニュース 技術移転「通年で1000件時代」の開幕

2015年4月21日
出所: 電子新聞(4月15日掲載)

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今年韓国政府主導の技術移転が「通年で1000件時代」を迎えた。政府のインフラ構築に中小ベンチャーが外部技術導入に積極に出た結果である。政府は技術取引が拡大できるよう技術移転システムを供給者から需要者中心に改編する。

韓国産業技術振興院によると、今年の技術移転件数は2000年の「技術銀行(NTB)」構築後初めて1000件を突破する見通しだ。技術銀行は、産業通商資源部が企業と出損研究所等が保有する技術事業化のために設けたオンライン技術事業化総合情報網である。

技術移転の件数は2011年に初めて500件を突破し、その後毎年増加となり昨年は940件に達した。これは、政府の移転可能な技術情報の確保と企業の積極的な外部技術導入の結果である。2009年以降毎年1万件以上の新規技術が技術銀行に登録された。2013年と昨年度にはそれぞれ1万3000件余りと1万5000件余りが登録された。今年も1万5000件以上の新規技術が登録されるものと予想される。現在登録されている技術は10万件が超え、この中で取引可能性が高い技術は7万件余りだ。

今年は技術銀行を需要者中心に改編する。いわゆる「需要技術探索支援サービス」の導入である。技術銀行の登録技術についての検索も容易となる。企業が移転を希望する技術情報を入力すると、全国のテクノパークと民間取引機関が関連技術の存在有無を把握して技術事業化組織(TLO)に連結する。TLOは技術発掘から契約まで技術移転と事後管理を担当する。

金・リュウソン産業技術振興院団長は、「これまでは技術情報保護により技術移転が容易でなかった」とし、「需要技術探索システムは秘密保護の中で移転できるようにし、技術取引活性化に寄与するはずだ」と述べた。

政府はこれまで技術融複合トレンドに合わせ技術移転に積極に出た。解放・共有・協力を骨子にした政府3.0趣旨に合わせて推進した。段階的には政府の研究開発(R&D)の課題を義務的に技術銀行に登録するようにした。昨年はサムスン電子・現代起亜自動車・LG電子・LGデイスプレー・ハイニックス・LS産電等が移転可能な技術を技術銀行に登録するMOUを締結した。また、技術支援、法律・会計、技術評価、知的財産権(IP)管理、技術金融等の専門家で構成された「技術銀行諮問団」を構成し運営している。移転された技術が事業化につながるコンサルティング等を支援する。

技術銀行(NTB)運営現況

区分

2009年

2010年

2011年

2012年

2013年

2014年

移転技術情報登録(件)

10,922

12,044

10,647

11,692

13,569

15,748

技術移転説明会開催

24

33

21

16

20

18

技術移転(件)

484

450

658

718

892

940

※資料:韓国産業技術振興院

金・ジュンべ記者

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