知的財産ニュース 知識財産分野の創造経済政策が実を結ぶ

2015年3月24日
出所: 韓国特許庁

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韓国が米商工会議所の傘下機関であるグローバル知識財産センター(Global IP Center)で発行した2015国際知識財産指数(Int’l IP Index)商標分野の評価において、米国、英国とともに世界1位となった。

商標分野の評価は、2014年の資料を基に計5項目(各項目別満点は1点)に対して行われた。韓国は、1)商標権の保護期間(1点)、2)商品パッケージに使用するブランドに対する差別・制限の禁止(1点)、3)商標権者の商標権保護能力および保護要件(1点)、4)商標権の無断使用防止に必要な独占権を与えられる法的手段(0.75点)、5)模倣品のオンライン販売への対応策を拡大する制度の利用可能性(1点)を獲得し、5点満点に4.75点で首位に上った。

このような成功要因について、韓国特許庁は、創造経済の活性化に向けて特許庁が実施した様々な施策のうち、「知的財産の創出・保護・活用体系の先進化」および「非正常の正常化」の一貫である「信義則に反する商標登録の防止」、「商標の使用による識別力の強化」に向けた商標法改正と「模倣品に対する企画捜査およびオンラインの常時モニタリング」などを積極的に推進した結果が同評価に反映されたと分析している。

※信義則の違反:他人の努力の産物を無断で使用するための商標登録

※※有名商標の保護のほか、ある程度知られた商標も使用による識別力を認定

2013年から発行してきた国際知識財産指数の報告書は、国別の知識財産保護および革新活動などを比較・分析し、政策決定者には知識財産の保護と執行に対して信頼性の高いロードマップを提供し、企業家には各国の知識財産の保護および執行に関する指針を提供することを目的としているため、商標分野の世界1位が持つ意味は格別だ。

計180ページの同報告書は、知財権保護の重要性と経済的影響、30カ国に対する知財権の保護水準および環境評価、改善事項などの情報を提供している。調査対象の30カ国に対して各基準別に0点から1点まで点数を付与してから、合算(最低0点から最大30点まで)して国際知識財産指数を算定しているが、その判断基準として、2014年に大衆に公開された当該国の政府(法令、報告書、指針および政策など)、国家機関(研究、報告書など)、法曹界(訴訟および判例など)、学術資料およびニュースなどの資料を最大限収集して評価に反映した。

反面、特許権、著作権、企業秘密、市場アクセシビリティ、執行および国際知識財産条約の加盟および批准などの項目も含まれる知識財産分野の総合評価においては、米国が30点満点に28.53点で首位を占め、韓国は23.33点で8位となった。

特許庁商標デザイン審査局のチェ・ギュワン局長は、「同報告書は、自国の知識財産環境を客観的に評価し、改善を目指す各国の政策立案者に有用なツールとして活用されるはずだ。今回、韓国の商標権保護水準が世界トップクラスだと評価されただけに、現状に安住せず、これからも持続的に商標権の保護に関する政策作りと制度改善に取り組んでいきたい」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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