知的財産ニュース 国内大学によるPCT特許出願、世界2位

2015年5月19日
出所: 電子新聞

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特許協力条約(PCT)に出願した国際特許件数で、韓国の大学が世界2位となったことが分かった。各国の大学によるPCT特許出願において、国内大学による特許出願の占める割合は、わずか5年の間2倍以上増加するなど急速に成長した。

韓国科学技術企画評価院(KISTEP)は、「各国の大学・公共研究機関におけるPCT出願の現況」という報告書を19日に発表し、2013年世界の大学によるPCT特許に占める韓国の大学による出願の割合は10.5%と、米国に次ぐ2位であることを明らかにした。

報告書は、世界知的所有権機関(WIPO)が去年発行した「PCT特許年間レビュー」を基に作成された。

大学によるPCT出願は計9,804件で、このうち、米国が3,920件(40%)を記録し、圧倒的に多かった。米国に次ぎ、韓国の1026件、日本の896件、中国の731件、英国の474件の順となった。韓国の大学がPCT出願に占める割合は、2008年の5.1%から2013年には10.5%へと5.4ポイント増加した。

国内大学の中で出願件数が最も多かったのは、韓国科学技術院(KAIST)とソウル大学だった。2011~2013年に出願したPCT特許件数を比較した結果、KAISTは287件を出願し、アジアの大学の中で一位となり、同期間ソウル大学が出願した特許件数は280件と2位となった。特に、KAISTは2005~2007年の55件から2011~2013年の287件へと4.2倍も急増し、増加件数で最多なった。

韓国は、公共研究機関によるPCT特許出願においても3位を記録した。2013年の公共研究機関によるPCT特許を計4,411件と、フランスの829件、中国の717件、韓国の618件、米国の608件、ドイツの408件の順となっている。公共研究機関の場合、大学と違って特定の国への集中度が低く、複数の国に分散されていた。

公共研究機関の特許全体に占める韓国の割合は、2008年の17.4%から2013年の14.0%へと、3.4ポイント下がった。2011年~2013年に出願した特許件数の比較において、国内公共研究機関の中で韓国電子通信研究院(ETRI)が307件で最多となり、アジアの機関の中で5位となった。
韓国科学技術企画評価院(KISTEP)の関係者は、「PCT特許は、特許を活用するために個別国家に進出する際に有利に働くという理由もあって出願が増加している。全般的な流れを見ると、先進国であるほど大学によるPCT特許出願が活発なのに対し、フランスを除き、中堅国や開発途上国は国や公共研究機関による研究・開発が活発なためそれらによる特許出願が多い。韓国の場合、大学によるPCT特許が増加するということは次第に先進国型研究に移っていくことを意味すると考えられる」と述べた。

各国の大学によるPCT出願の現況(出処:WIPO)

区分

2008年(%)

2013年(%)

米国

51.1

40.0

韓国

5.1

10.5

日本

10.0

9.1

中国

2.5

7.5

英国

5.9

4.8

クォン・コンホ記者 wingh1@etnews.com

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