知的財産ニュース サムスン、いよいよ有機ELテレビ市場へ?

2015年3月4日
出所: デジタルタイムズ

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次世代プレミアムテレビといわれる有機EL(OLED)テレビの市場が、昨年、5倍以上の高い成長を見せた。サムスン電子も関連商標を登録し、量子ドットと有機ELのうち、どちらの技術が次世代プレミアムテレビ市場を主導するかに注目が集まっている。

4日、市場調査機関ディスプレーサーチによると、有機ELテレビは、昨年約7万7,000台の販売量と2億8,000万ドル(約3,000億ウォン)規模の売上高を記録した。これは前年に比べると、売上は17倍、金額は約5.5倍増加した数値だ。

地域別では、プレミアムテレビの需要が多い西欧地域が全体の30.7%を占め、アジア・太平洋地域が18.4%、北米地域が18%でその次となった。四半期別では、昨年第1四半期に4,600台の販売に止まっていたものが同年第4四半期には、4万2,400台を販売し、その成長傾向は強まっている。

業界では、その要因として有機ELテレビの値下がりを上げている。有機ELテレビ市場をリードしているLG電子は、昨年9月、399万ウォンの55型有機ELテレビを発売し、有機ELテレビの大衆化時代を宣言した。2013年に初めて発売された当時の価格(1,500万ウォン台)に比べると、4分の1水準に値下がりしている。

ここに中国と日本勢も本格的な有機EL商品を発売する見通しで、価格はさらに下がると見られる。LGディスプレーは、近日中に中国及び日本のテレビメーカーに有機ELパネルを本格的に供給する予定で、商品も発売されるという。

その中でも、サムスン電子の有機ELテレビについては、さらなる注目が集まっている。韓国特許庁によると、サムスン電子は、先月26日、「Super UHD OLED」、「Ultra Super OLED」、「Samsung Super Ultra OLED」、「Ultra OLED」商標を出願した。業界では、サムスン電子が有機ELテレビの発売を前に予め商標権を確保したものと分析している。

これに対してサムスン電子側は、一つの可能性として商標権を確保しただけで、商品の発売に拡大解釈してはならないという立場。しかし、サムスン電子は、昨年から有機ELテレビに関する技術をすでに確保しており、市場の準備さえ整えれば、いつでも対応できるという立場を数回にわたって明らかにしてきただけに、関連商品の発売可能性は充分ある。

ただし、サムスン電子の商標権登録は、商品の発売より、商標権の防御という側面が強いという分析もある。サムスン電子は、今月初旬に量子ドット技術を適用したSUHDテレビを披露したが、LG電子も同月24日、似た名前の「スーパーUHDテレビ」を発売して、類似性の議論が提起された。

一方、ディスプレーサーチは、今年のテレビ向け有機ELパネルの供給量が77万5,000台に上り、昨年(20万5,000台)に比べて278%も増え、2021年には1650万台・70億ドル規模に成長すると見通している。

パク・ジョンイル記者

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