知的財産ニュース 韓・米「協力審査プログラム(CSP)」施行

2015年5月21日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、2015年5月20日、中国の蘇州市で開かれた韓米特許庁高官会合において、両国の知識財産権創出支援の一環として「協力審査プログラム(CSP、Collaborative Search Pilot Program)」施行に関する了解覚書を締結したと発表した。

CSPとは、韓国と米国に同じ発明を特許出願した出願人が希望する場合、両国の特許庁が先行技術調査報告書をお互い交換し、これに基づいて優先審査をするプログラムであり、
両国の調査結果を事前に共有して審査することで、特許権の法的安定性を向上することができるだけでなく、当該申請件に対する優先審査により両国で特許権の早期取得が可能になるという評価を受けている。

同プログラムは、2015年9月1日から施行される予定。特に、最大4千ドルとなる米国の優先審査申請料が免除され、これによって米国特許の獲得と関連市場の進出を狙う韓国企業の時間と費用が軽減される見通しだ。

米国は、世界最大の特許市場であり、国内企業を相手取った特許紛争が最も頻繁に発生する国という点で、国内企業における米国内知識財産権の活用・保護の重要性は高まっている。
※2007年~2012年の間に発生した国内企業の国際特許紛争の件数:米国(709件)、日本(152件)、ドイツ(65件)、台湾(45件)、スウェーデン(23件)、英国(18件)、カナダ(15件)の順(出処:韓国特許庁)

このため、CSPプログラムは、米国市場を狙う国内企業の知財権先取り及び商業化に重要な役割を果たす期待される。

チェ・ドンギュ特許庁長は、「韓国と米国の間で施行されるCSPは、両国に進出する企業を直接支援するために、両国の特許庁が積極的に取り組む国際協力プログラムだ。両国で特許を取得できる自信のある企業は、積極的に活用してほしい」と述べた。

一方、同日開かれた韓・中特許庁長会談において、両国の特許庁長は、大学の知財権力量の強化に向けて共に努力することを確認した。これに関連し、両国の政策と経験を共有するため、今年中に中国で大学IP力量強化セミナーを共同開催することにした。さらに、審判・訴訟分野における中韓間の交流・協力強化の一環として、審判官を相互派遣することにも合意した。

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