知的財産ニュース 特許庁、「非正常の正常化」に向けた取り組み

2014年10月24日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、23日、特許庁ソウル事務所で特許庁および公共機関の非正常的な慣行と関連する現場の意見を収集するため、「特許庁の非正常の正常化推進協議会」を開催した。

同会議は、企業、大学、弁理業界など、政策の需要者と供給者が一堂に会して、現在行われている特許庁と傘下公共機関の正常化課題について、現場ではどのような意味を持っているか、どのような影響を及ぼしているかを点検し、さらなる代案を導き出すために開かれた。

特許庁は、現在、正常な商標使用に向けた商標ブローカーの撲滅、国民安全に向けた模倣品の取り締まりを国務調整室が主管する非正常の正常化の課題として進めている。

正常な商標使用に向けた商標ブローカーの撲滅は、自社の商品および営業に使うための商標権を取得するのではなく、示談金又は使用料などの不正な利益を手に入れる目的で商標権を取得する非正常的な商標ブローカー行為を撲滅しようという趣旨で推進している課題だ。

商標法の改正内容(2014.6.11.施行)

  • 信義則に反する出願の商標登録防止及び商標権制限規定の新設(第7条第1項第18号及び第53条第2項新設)
    契約及び業務上の関係などにより、他人が商標を使用する、又は商標の使用を準備中であることを知っている者が正当な権原を得ずに同じ商標を先に出願した場合、不登録自由に含まれ、商標権の使用が不正競争行為に該当する場合、使用権を制限する規定
  • 需要者間で顕著に認識されている商標の希薄化防止条項を策定(第7条第1項第10号)
    需要者間で顕著に認識されている他人の商品又は営業と混同しかねない、若しくは識別や名声を損傷しかねないおそれのある商標については、その登録を防止することができるようにする。

商標ブローカーの撲滅に向けて商標法を改正し、ブローカーが出願した商標に対する職権調査を強化して厳格な審査を実施することで、不正な目的の商標登録を防止している。

商標ブローカーによる被害を予防し、改正商標法の内容を案内するために商標ブローカー被害の通報サイトを立ち上げ(2014年1月)、9月まで109件の通報と相談があった。

相談例:営業を妨害する目的で競合会社の商号を商標として登録した後、相互使用禁止の警告状を発送→善意による商号の先使用については、他人の商標登録有無にかかわらず、引き続き商号を使用することができるとの内容の商標法を案内

国民安全に向けた模倣品の取り締まりは、オンライン・オフラインで取引される模倣品の流通撲滅を通じて、消費者の経済的損害を防ぎ、模倣品から国民の安全を守るために推進する課題だ。

今年は、企画捜査を実施するなど、取り締まりを強化したことで9月末まで商標法の違反によって刑事事件として立件された件数が287件と、前年比7%増となっており、模倣品の押収件数は91万点と約5倍増えた。
※企画捜査:押収品の正常価格ベースで5億ウォン以上の事件、被疑者の起訴事件、捜査官が長期間の追跡・尾行を通じて被疑者を逮捕した事件

取り締まりの実績

区分

2013.9.

2014.9

増減率(%)

刑事立件(人)

(企画捜査)

268

(38)

287

(50)

7

(31.6)

押収品(点)

(企画捜査)

193,463

(169,512)

910,191

(852,308)

470

(502)

オンライン取引による模倣品の流通撲滅に向けて、2013年12月にキーワードのみならず、イメージで検索できるように、オンライン・モニタリングシステムの機能を改善し、9月末現在、前年比24.7%増加した4,694カ所の模倣品販売サイトを摘発して閉鎖した。

サイトの閉鎖および遮断の実績

区分

2013.9.

2014.9

増減率(%)

サイト閉鎖および遮断

3,763件

4,694件

24.7%

自主的に発掘した正常化課題の場合は、不公正慣行の改善、不平等慣行の改善、国民安全の確保、古い制度および手続きの改善など、5分野で約30件の課題を推進している。

審判請求後、1カ月以内に審判を取り下げた場合、すでに納付した審判請求料を返還してもらえるように商標法の改正を推進している。

大学に在学の如何を問わず、青年(満19歳以上から満30歳未満である者)である者に対しては、出願料、審査請求料および最初3年分の登録料の85%を減免する規定を新設して施行中にある。

特許庁のキム・テマン企画調整官は「今回の推進協議会で提案があった非正常的な慣行の正常化に向けた各界の意見が実際の政策に反映されるように力を取り組んでいく予定だ。また、推進協議会を通じて国民がもっと実感することができる上、現場の状況に合わせた解決策を掘り起こしていきたい」と述べた。

特許庁は、今後も非正常の正常化政策を持続的に拡散していくため、積極的に政策を開発・広報する計画で、推進協議会を介して現場の意見聴取も続けていく予定だ。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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