知的財産ニュース モノのインターネット、技術革新の母体に

2014年10月23日
出所: 韓国特許庁

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超連結インフラであるモノのインターネット(IoT : Internet of Things)がIT融合技術の代表格として注目を浴びている中、関連特許の出願も急増している。

最近出願されている技術は、高画質の防犯カメラが撮る映像を分析して行方不明者や手配車両、性犯罪者情報などを抽出し、その情報を警察などの関連機関にスマートフォンで伝える技術、スマホの画面をタッチするだけで照明・冷蔵庫・洗濯機・テレビ・掃除機・オーブンなどを必要な時に起動させることができる技術など、映画に出てきそうな技術が現実化している。

特許庁によると、関連技術の出願は、2009年の33件から2013年に229件と、年々急速に増加しているが、これは2008年から進められたモノのインターネットに対する活発な国際標準化と政府によるモノのインターネット産業育成政策の推進が融合した結果だといえる。

技術分野の中でもモノのインターネット端末機間のネットワーク制御および管理技術に関する出願の割合が68.0%と最も高い。これは、無数な端末機の識別および同時接続によるトラフィックの過負荷を解決するための技術開発が活発に行われていることを示唆している。具体的には、接続制御技術、資源割当技術、電力節減技術、端末機の呼出技術などの出願が多くなっている。

その次には、モノのインターネットのサービスに関する出願の割合が16.5%を占めた。消費者の購買力を高められるモノのインターネット商品を市場に発売するため、産業全般にわたって様々なビジネスモデルの技術開発が進められていることが分かる。具体的には、スマートカー、ヘルスケア、産業現場設備の遠隔管制、スマートホーム、ネット広告、電子マネーなどの出願が多い。

出願人別では、KT、サムスン電子、LG電子などの韓国企業が59.6%と最多だった。これは、飽和状態にあるスマホのサービス市場における新規収益の創出策の一環として、大企業がモノのインターネットに多大な関心を寄せた結果だと思われる。その次は、韓国電子通信研究院および国内大学などの研究機関が22.3%、外国企業が15.1%、個人が3.0%を占めている。

特許庁マルチメディア放送審査チームのチョン・ボムジェチーム長は「これまでは、モノのインターネット技術が産業現場の遠隔制御および管理に使われてきたが、徐々にスマートホーム、スマートカー、ヘルスケアなど産業全般にわたってその応用範囲が拡大されている。まだ初期段階にあるモノのインターネット市場において、韓国企業が優位を占めるためには、通信特許の確保以外にも収益性の高い様々なビジネスモデルの特許を確保することが重要だ」と述べた。

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