知的財産ニュース 「創造経済への一歩」、大企業の無償技術移転が持続

2014年10月1日
出所: 産業通商資源部

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大企業が保有している未利用技術をもっと効率的に利用できるよう、技術を必要とする中小・中堅企業に無償移転する「技術共有」が続いている。

産業通商資源部は、10月1日ソウル・ルネサンスホテルで韓国産業技術振興院(KIAT)と(株)LGディスプレイ、技術の移転を受けた中小・中堅企業の代表が参加した中、技術共有MOU締結式典と特許権の無償移転行事を開催した。

LGディスプレイは、SKハイニックスに次いで大企業としては2番目に技術共有に参加し、最近3~6年内に登録された優秀なファミリー特許を含めて計257件(国内141、海外116)の技術を韓国産業技術振興院に委託することで所有権の無償譲渡に乗り出した。

※米国、日本など複数国に出願・登録された国内特許

同社は、移転技術の活用戦略、事業化を通じた具体的な事業計画、実行意志などを重点的に審査し、最終的に計35件(国内16、海外16)の技術所有権を中小・中堅7社に無償移転することを決めた。

技術共有MOU締結式と特許権の無償移転行事は、「技術共有拡散のMOU締結」、「技術の無償譲渡授与式」、「懇談会」の順で行われた。

技術共有拡散のMOUは、産業部(総括)‐韓国産業技術振興院(運営)‐LGディスプレイ(技術供給)が、持続的に協力し、「技術共有」の制度が安定的に定着するようにMOUを締結し、

技術の無償譲渡授与式では、LGディスプレイが中小・中堅7社の代表に合着・検査装備・洗浄装備などの分野に当たる優秀な特許の譲渡証を渡した。

続いての懇談会では、実質的な協力関係を築ける大企業と中小・中堅企業間の技術移転・事業化の活性化方策について話し合い、中小・中堅企業による技術の事業化過程で発生する現場の隘路事項を聴取し、解決策について意見を交わした。

産業部産業基盤室のファン・ギュヨン室長は「産業部は、技術共有を通じて大企業が保有している未利用技術が中小・ベンチャー企業に活発に移転され、事業化につながる共生・同時成長の環境作りに向けての取り組みを続ける計画だ。その他大企業の積極的な参加を期待している」とコメントした。

産業部は、中小・中堅企業が譲渡を受けた技術が事業化につながるよう、商用化技術の開発を追加支援し、「技術銀行」の設立を通じて技術の無償移転のみならず、有償移転も多角的に拡大していくとの計画だ。

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