知的財産ニュース 政府出捐研究機関、「選りすぐりの特許」2万3,800件を公開

2014年8月6日
出所: デジタルタイムズ

4697

事業性が優秀で、企業に即時移転が可能な25カ所の政府出捐研究機関(以下、出捐研)の特許が市場に公開される見通しだ。出捐研が有している特許の中でも、技術マーケティングにより技術移転の可能性が高い「選りすぐりの特許」という点で、昨年11.6%に過ぎなかった出捐研の特許活用度を高める効果を生み出すかどうかが注目されている。

5日、国家科学技術研究会によると、25カ所の出捐研が有している特許を選別し、戦略的な技術移転を目指す「出捐研特許・技術共同マーケティング事業」が推進される。

同事業は、出捐研が有している特許のうち、活用可能性の高い特許を対象に需要企業の掘り起こしおよびマッチング事業を通じて技術移転につなげるためのもので、出捐研が共同で特許・技術マーケティングに乗り出すのは今回が初めてだ。

公開予定の特許は出捐研が有している計3万5,851件の特許の中で、専用実施特許と非公開特許、共同所有特許などを除外した2万3,851件に上る。このうち、短期活用のできる特許1,955件、中期活用のできる特許1万6,092件、長期活用のできる5,804件などに分けて技術マーケティングを進める。出捐研別の短期活用特許は韓国機械研究院が421件で最も多く、韓国電気研究院が183件、韓国化学研究院172件、韓国建設技術研究院が143件、韓国エネルギー技術研究院が131件、ETRIが109件だった。

事業の推進に向けて、同研究会は出捐研が有している特許の技術性・市場性などの詳細情報を盛り込んだ「出捐研IPデータベース(DB)」を別途構築する予定だ。同DBを基に韓国産業技術振興協会、KOSDAQ協会などの企業ネットワークを活かして需要企業を掘り起こしてから、オン・オフライン上の技術説明会および技術相談を実施するほか、需要企業と供給技術をマッチングさせ、特許売却および実施権契約に向けた具体的な技術移転交渉および契約を進める。

同研究会は11月末に開催予定の創造経済博覧会と連携して事業成果をPRし、拡散に向けた行事の開催も検討している。

研究会の関係者は「本事業は、出捐研全体で保有している特許のうち、短期間で企業に移転して活用できる特許を対象にしているだけに、技術移転の力量が少ない一部出捐研の特許活用度を高めて出捐研全体の特許活用成果の引き上げに貢献すると期待している」と述べた。

イ・ジュンギ記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195