知的財産ニュース 解氷期の道路、安全なのか?

2014年3月6日
出所: 韓国特許庁

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冬の寒波や除雪作業などにより、道路のあちらこちらに穴が空けてしまうポットホール(Pot Hole)が多数発生しているため、地方自治団体は道路の補修に乗り出している。とくに、記録的な豪雪となった東海岸地域の自治体は、ポットホールの整備に全力を挙げている。

異常気象による道路の破損のタイプは様々だが、豪雪後や梅雨の時には被害がより多く発生するポットホールが最近、注目を集めている。このポットホールのために発生した事故件数は、この5年間何と5倍も増加し、国土交通部と地方自治体は、その対策を講じている。

建設景気の低迷で道路分野の出願も全体的に減少している中でも、ポットホールなどの道路破損を防止する技術の特許出願は着実に増加している。

韓国特許庁によると、この5年間、道路破損の防止に関する特許の出願は、道路分野全体の約27%(年平均約160件)を占めている。昨年の道路分野における出願件数が2009年比約43%も急減したが、道路破損防止の特許出願は約8%増加した。

代表的な技術としては、SKイノベーションが特許権を保持している「スーパーファルト」がある。従来の包装材料にゴム系列の添加物を混合してアスファルトの性能を高めた技術だ。道路包装の寿命を延長させるため、韓国で広く使用されており、最近中国でも23億人民元(約4000億ウォン、2011年ベース)の販売額を上げた。

また、ラテックス改質コンクリートを利用して道路包装を補修する技術は、建設新技術(第427号、国道交通部)として指定されており、約1000億ウォン台の活用実績を上げている。「グラスファルト補強財」と呼ばれ、格子形のガラス繊維を利用して亀裂を防止するこの技術は、190ウォン台の利用実績をあげている。

一方、道路破損の防止技術の出願における海外出願割合は、1.7%と低い。

韓国特許庁の関係者は、「気候変動による道路破損は、世界共通の問題である。建設業界で景気低迷の打開策として海外進出の拡大動きが増えていることを踏まえると、この分野の特許における積極的な海外出願戦略が求められる」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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