知的財産ニュース 知財サービス市場、公共機関が全体の8割占め

2014年2月26日
出所: 電子新聞

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特許の先行技術調査・分析、翻訳、分類など、特許庁が遂行する知的財産事業課題の大半を公共機関が遂行していて問題となっている。知財サービス産業の成長の呼び水としての役割を果たすべき公共課題が特許庁の傘下機関に集中され、民間市場の活性化に足かせとなっているという指摘だ。

25日、特許庁と業界によると、今年、特許庁が依頼した特許の先行技術調査・分析、商標出願の翻訳、商品の分類などの公共課題の中で80%以上を特許庁の傘下機関である特許情報院と特許情報振興センターが担当していると調査された。

2014年度の主要知財サービス課題の割当物量をみると、特許庁傘下機関が占める割合が、国際商標登録出願の英文指定商品の翻訳および分類事業82%(韓国特許情報院)、指定商品の分類事業81%(韓国特許情報院)、特許・実用新案の出願先行技術調査事業78.3%(特許情報振興センター)、国際出願の先行技術調査事業69・4%(特許情報振興センター)、商標調査分析事業66.7%(特許情報振興センター)、図形商標分類事業の50%(韓国特許情報院)などだ。

特許庁は、特許の先行技術調査などの一部事業課題は、特許品質の向上のため、調査分析の専門人材の数やセキュリティなど問題で、民間に任せられにくいと主張する。

特許庁の関係者は、「選定機関や企業の人材の数、セキュリティ要件などを踏まえると、公共機関に事業を集中せざるをえない。特許情報などが外部に流出されないように徹底した管理・監督が必要だからだ」と述べた。法律として定めた専門機関以外に民間企業が課題を担当する場合、リスクが高まるという意味だ。

一方、業界では、先行技術調査委以外に、商標・デザインの分類、翻訳事業まで公的機関が担当していることに不満の声を漏らしている。ある知財サービス企業の代表は、「セキュリティ規定に大きく影響されない事業は、民間に依頼する必要がある。民間の知財サービス市場の成長エンジンの強化に役立つはず」だとコメントした。

また、「民間企業の安定的な人材の運営だけでなく、知財サービス専門人材の育成という意味からも、特許庁の公共課題の民間受注の割合を高めるべきだ。現在は、知財サービスの公共事業のハードルが非常に高い」と批判する関係者もいる。

2014年度における特許庁の主要公共事業課題の発注状況(資料:特許庁)

公的機関

民間企業

事業予算

国際商標登録出願の英文指定商品の翻訳及び分類

82

18

5億2700万ウォン

指定商品の分類

81

19

3億6400万ウォン

特許・実用新案の出願の先行技術調査

78.3

21.7

278億1600万ウォン

国際出願の先行技術調査

69.4

30.6

157億2700万ウォン

商標調査の分析

66.7

33.3

29億4200万ウォン

図形商標の分類

50

50

3億600万ウォン

クォン・ドンジュン記者

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