知的財産ニュース 「IP評価支援事業」、懇談会を開催

2014年10月31日
出所: 韓国特許庁

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住居用・事務用・産業用などの建物の省エネにつながるリアルタイムのエネルギーモニタリングシステムの構築を専門とするA社は、2014年初旬に知的財産(IP)価値評価を通じて銀行から10億ウォンのIP担保貸出を受けた。貸出資金で研究所および生産施設を拡充し、新技術開発に向けた追加R&Dに乗り出した。今年は、前年比約20%、新商品が発売される2015年からは100%以上の売上増を期待している。

環境配慮型防水材を生産するB社は、優れた技術力を備えているにもかかわらず、マーケティング方法に手を焼いていたが、特許技術評価により国土交通部の新技術認定を受けることができた。B社は、同認定をマーケティングに活用し、前年比約2倍増の売上を見込んでいる。また、評価結果を技術保証基金の保証書発給に活用したほか、現物出資も進めている。

マンホールや汚水・雨水貯留槽など、下水管に関する設備を製造するC社は、保持特許に対する技術認定向け評価を介して技術の優秀性を認められ、調達優秀品の登録および調達の契約という成果を上げ、50件以上の納品受注を受けることができた。

中小企業が保有している優れた特許技術を評価し、事業化や資金調達などを支援するIP評価支援事業が成果を上げつつある。

同事業は、中小企業が保有している優秀な特許技術を活用して事業化を本格的に推進し、必要な資金を調達できるよう、企業それぞれに合わせた評価を行うもので、事業化連携の特許技術評価、金融連携特許技術評価支援事業で構成されている。

現物出資、技術取引、技術認定、事業の妥当性分析などに活用できる事業化連携特許技術評価の支援を受けた企業の特許活用率(2013)は83.2%で、国内企業平均の57.5%をはるかに超えることが分かった。

2006年から実施している金融連携特許技術評価の事業は、昨年までの7年間、計1,700社に約4,000億ウォンを供給した。今年は、IP担保貸出を本格的に推進したため、今年第3四半期までの業績だけでも前年比17%増の890億ウォンを供給しているほか、、今年1,800億ウォン以上の資金支援の連携ができると見込まれている。

特許庁は、IP評価支援事業の優秀事例を共有し、現場の声を聴取した上で政策改善策を策定すべく、10月30日、韓国知識財産センターでイ・ジュンソク次長をはじめとする中小企業の代表者が参加した下、懇談会を開催した。

特許庁のイ・ジュンソク次長は懇談会で「中小企業革新活動の成果である優秀なIPが事業化に活用され、利益の創出につながるような環境を整えてこそ、経済革新3カ年計画の核である基礎体力のある経済を作ることができる。特許技術の事業化に最も大きな障害要因となっている資金不足などを解決できるようにIP評価支援事業を持続的に拡大していきたい」と述べた。

参考資料:知的財産評価支援事業PDFファイル

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