知的財産ニュース KIPO、意見聴取のための統合説明会を開催

2014年5月13日
出所: 電子新聞

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重大な問題のある特許が産業と市場への及ぼし得る悪影響を防止するため、特許審査官の職権により、特許権を取り消すことができるようになる。特許登録決定後にも、内容を修正して権利を追加できる継続審査請求制度が導入される。

韓国政府は、特許出願の利便性を向上し、特許品質を高めるため、大掛かりな特許法の見直しを図るという。これに関連し、13日、韓国特許庁は、「特許制度に関する統合説明会」を開き、特許制度の改正の方向を始め、商標法及び下位級の法令の改正案、デザイン保護法の改正などについて説明を行った。

今回の改正のポイントは、ツートラック(two track)無効審判制度の新設、権利と侵害範囲の拡大、通常実施権の当然対抗制度の導入などだ。

新設されるツートラック無効審判制度は、特許品質を強化するため、不十分な権利は審査官がすぐ取消し再審査に戻すことができる「審査権職権による取消」と、特許決定後にも自由に補正して再審査が受けられる「継続審査の請求」などを含める。制度が導入されれば、特許の登録前と後に、より能動的に品質管理ができるというのが特許庁の考えだ。

特許権の保護を強化するため、特許登録の後にも権利範囲を拡大できる「特許の再登録出願」も導入する。現行では、登録後の権利範囲の再設定ができないため、特許権者の権利制限であると指摘されている。また、輸出も特許侵害の対象に含まれるよう、特許権実施の概念を拡大するほか、加重的な損害賠償制度の導入・資料提出命令の強化など、保護の合理化を図るため、侵害及び損害額規定の見直しを検討する。

ただ、法的に議論の余地が残っている加重的な損害賠償制度は、推進の前に公聴会などを開き、十分な社会的コンセンサスを形成していく計画だ。

特許出願時、論文の参考文献など、先行技術を具体的に記した文献名の記載を義務化する「実効的な情報掲示制度」と、通常実施権を特許庁に登録しなくても契約の事実を証明するだけで第3者への対抗力を有する「通常実施権の当然対抗制度」も特許活用の強化を目的に導入を検討中だ。

韓国特許庁は、今年末までに改正の草案をまとめ、来年に立法手続きを進め、2016年には試行に入るという計画を立てている。そのため、今回の地域巡回説明会のほかにも、業界代表や有識者による懇談会を開き、意見を聴取する予定だ。

キム・ヨンミン長官は、「改正特許法の主な内容と、今後の特許法全部改正の方向などに関する国民の理解を高め、利用を促すために統合説明会を開いた。現場の意見は、今後、法律や制度の改正に積極的に反映する予定だ」と述べた。

一方、同日の説明会では、ソウル・首都圏で勤務する弁理士、企業の特許担当者、個人の発明家など約300人が参加し、関心の高さを示した。韓国特許庁は、ソウルに続いて光州(30日)、大田(6がウ5日)、大邱(6月10日)でも統合説明会を開催する予定だ。

パク・ジョンウン記者

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