知的財産ニュース 中小バイオ企業に「Bio-IPカウンセリング」開始

2014年5月9日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、バイオ分野の専門審査官で構成された「Bio-IPカウンセラー」がバイオ企業を直接訪問するという、現場中心のバイオ分野知財権コンサルティングを試行する。

今回のコンサルティングは、韓国のバイオ企業の59%を占める従業員50人未満の小規模バイオ企業を対象にしており、同庁は、経営の環境上、社内に独自の知財権組織や人材の確保が難しく、知財権情報の活用に脆弱ということを考慮した措置だという。

コンサルティングを希望した企業は、韓国テクノパーク協議会を通じて事前調査を行い、上半期のうちにまず6社を対象に実施する。今回の事業は、バイオ企業の積極的な参加を促すため、無料で行われる。企業の満足度を評価して今後も持続的にコンサルティングを行う計画だ。

「Bio-IPカウンセラー」は、バイオ企業を訪問してメーカー別の知財権水準を診断し、ワクチンや細胞治療財、抗体医薬品など、各企業別の専門事業分野に合わせて知財権の創出・保護戦略を紹介する。また、各企業が求める細部の専門技術別の特許統計情報、特許審査などに関するコンサルティングを行う。遺伝資源の利用に関する国際的なトレンドやバイオ医薬品の特許DB抗体医薬品、ワクチンや細胞・遺伝子治療薬に関する特許、独占権、臨床・認許可の情報、国内外の市場の現状が確認できるデータベース(www.kobics.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)などのバイオ分野の知財権情報活用の教育も併行して行う。

「Bio-IPカウンセラー」は、国内外の大学で関連技術分野の博士を取得した専門審査官が中心となって構成され、「山が当たる」ようなバイオ分野の専門コンサルティングが提供できると期待されている。

遺伝資源の大国とされる中国やインドなどは、発明に用いられた遺伝資源の出処を特許出願時に公開を義務付けているが、外国出願の経験のある59%、外国出願の計画のある62%のバイオ企業がこの事実を分かっていないと調査されたため(2013年の韓国知識財産研究院のアンケート調査の結果)、各国の出処公開要件及び、それに違反した場合の制裁規定(登録拒絶や登録取消など)を盛込んだPRリーフレットも配布する。

特許審査3局のコ・ジュンホ局長は、「中小企業が中心となっているバイオ分野は、知財権による技術保護が先行されなければならず、それが市場における安定的な成長につながっている。今回の事業がバイオ企業の知財権能力の強化を後押しし、お金になる「強い特許」の創出に貢献できると期待している。企業の積極的な参加を呼びかけたい」と述べた。

「Bio-IPカウンセラー」のお問い合わせは、韓国特許庁特許審査3局バイオ審査課(042-481-8115)が受付している。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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