知的財産ニュース 「五感商標の創出・活用戦略カンファレンス」が開催

2014年11月14日
出所: 韓国特許庁

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特許庁は、17日、韓国科学技術会館で「2014グローバル企業の五感商標の創出・活用戦略カンファレンス」を開催する。

五感商標とは、聴覚、嗅覚などの五感によって知覚できる感覚的商標、または立体的・動的な形で構成されている商標など、新しい類型の商標を意味する。世界中の商標・ブランド専門家が「五感を支配する企業のみが生き残ることができる」と言い切るほど、近頃のマーケティング業界では、五感ブームが巻き起こっている。

この現象は、過去のブランド戦略が商品の品質や価格、機能を強調することに重きを置いていたとすれば、最近は商品間の格差が縮まって価格や機能による特化が難しいため、企業が消費者の感性に訴える「五感ブランディング」により、ブランド・ロイヤルティの強化に乗り出している影響とみられる。

例えば、米半導体メーカーの「インテル」の場合、表に出ないという商品の特性上、「半導体」を消費者にPRすることが容易ではなかった。だが、インテルは、自社CPUを供給している300余りのPCメーカーの広告に「インテル・インサイド」というロゴとともに5音調の音を3秒間流れるようにした。同広告に使われた音の商標は、「インテル」を世界中の消費者の脳裏に植え付けるという成果を上げた。

KIA自動車もブランド・コミュニケーション戦略として五感ブランディングを掲げている。聴覚を活用したKIAブランド・ソング(KIA Identify Song)、嗅覚を活用したKIA香り(KIA Fragrance)を披露して各種ブランド賞を総なめにするなど、世界中で自社のブランド・アイデンティティを確立している。

こうした傾向に合わせて、韓国企業もどの感覚を活用してブランドをPRし、顧客に感動を与えるかについて考え、これを法的権利によって保護を受けられるように取り組まなければならない。しかし、韓国は一部の大企業を除いては、五感商標の創出および活用に対する認識が不十分で、市場優位の先取りに難航している。

こうした難点を解消するため、今回のカンファレンスではグローバル企業における五感商標の開発過程、マーケティングの成功例、国内・国外での紛争事例などを共有し、五感商標の出願方法および審査基準を説明するなど、五感商標の創出・活用に向けた様々な話題について深く議論する予定だ。個人および企業の関係者、弁理士業界にも非常に有意義な議論の場になると期待されている。

特許庁商標デザイン審査局のパク・ソンジュン局長は、「今回のカンファレンスにより新しい類型の商標に対する認識と情報が広く知られ、韓国企業が音や映像などを商標として積極的に活用して保護を受けられれば、企業の競争力強化に役立つとみられる」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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