知的財産ニュース 高麗大、医療界では初めて技術持株会社を設立

2014年7月3日
出所: 電子新聞

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国内医療界では初めて高麗大医療院が技術持株会社を立ち上げ、医療技術の特許を活用してベンチャー創業を積極的に支援する。洪陵(ホンヌン)地域を中心とした医療バイオ・ベンチャークラスターの構成にも参加する予定だ。大手総合病院を有している医療院が医療技術の事業化支援に乗り出したことで、厳しい状況の医療機器・バイオ産業が活性化すると期待されている。

3日、高麗大医療院は、大学技術持株会社の子会社として「高麗大医療技術持株株式会社」を設立し、運営を開始したことを明らかにした。高麗大医療技術持株会社は、研究を通じて確保した特許を活用し、事業化を推進する。すでに医療技術持株会社の傘下にバイオと医療機器の子会社をそれぞれ保有している。

高麗大安岩病院のイ・サンホン研究部院長は「研究中心の病院として成長している高麗大医療院は、研究を通じて獲得した特許を活用し、事業化により収益を確保した後、研究への再投資を目指して医療技術持株会社を設立した。持株会社のビジネスモデルとして、研究の好循環システムを築いていきたい」と述べた。

高麗大医療技術持株会社はKU-KIST融合大学院、高麗大理工界大学と手を組み、IT-BT連携の融合医療機器メーカーの創業を積極支援する。洪陵地域を中心とした医療バイオ・ベンチャークラスターとも提携する。高麗大医療院は洪陵地域に位置している産官学をつなげた大規模の医療クラスター構成を推進している。

イ副院長は「今年は教授の創業を積極的に支援し、研究の好循環システム作りを目指している。持続的に特許を確保・事業化していきたい」と強調した。

これまで、医療院とIT企業の協力により合弁会社が立ち上げられたケースはあったが、技術持株会社を設立に直接手がけた例は今回が初めて。2011年に延世医療院がLG CNS、インフィニット・ヘルスケアなどと技術持株会社の設立を推進したものの、白紙になった。その翌年、延世医療院はKTと合弁会社であるフ・ヘルスケアを立ち上げた。盆唐ソウル大病院は2012年にSKテレコムとヘルス・コネクトを、全北大病院も2014年4月に一般企業と共同で技術会社を設立した。

高麗大医療院が合弁会社ではなく、技術持株会社を設立したのは大学と病院が保有している特許が充分であると判断したためだ。その特許を基にベンチャー創業を支援し、病院の治験と連携することで収益も創出できるとの見通しだ。

高麗大安岩病院のキム・ヨンフン院長は「医療技術持株会社を通じて、単なる研究中心の病院ではなく、商用化も可能な研究中心の病院として成長していきたい」と強調した。

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