知的財産ニュース 韓国最高裁「業務上の発明特許の権利は職員にある」

2013年1月7日
出所: 電子新聞

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業務上の成果として登録した発明の特許権は、事前に会社に渡すという明示的な契約を結ばない限り、発明者に帰属されるという判決が出された。

韓国最高裁1部は、事前の決裁なしに会社と自分の共同名義で特許を出願し、会社に財産上の損害を与えたとして(業務上の背任)で起訴された電機部品メーカーU社の元技術開発担当の取締役キム氏に対し、上告審で有罪判決した原審を破棄し、事件をソウル中央地裁に返し戻したと7日に公表した。

裁判所は、「旧発明振興法などによると、職務発明で特許を受けられる権利は、発明者である従業員にある。事前の承継契約など、特別な事情が無い限り、従業員が自分の名義で特許を出願しても自分の権利を行使できるものであるため、業務上背任罪が成立しない」と判事した。裁判所は、「キム氏が特許権を会社に承継するという明示的・黙示的な意志があったと見なせないだけに、業務上背任罪に該当するとみなした原審は、法理を誤解した判断を下した」と結論付けた。

キム氏は、2006年から技術開発業務を担当し、本人のアイデアに開発チームの職員が手を加え、5件の発明を完成した。そのうち4件は、会社と共同名義で、1件は自分の会社共同代表の名義でそれぞれ出願したが、それを理由に起訴され、業務妨害まで加わり、原審・2審で罰金100万ウォンが言い渡された。

クォン・ドンジュン

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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