知的財産ニュース 来年特許権満了する物質特許258件が公開

2013年12月23日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、「政府3.0」のパラダイムと足並みをそろえて研究開発(R&D)の効率化、特許トラブルへの対応能力の向上、雇用創出などに貢献するため、2014年に特許権が満了する物質の特許情報を民間に提供することを決めた。

公開される情報の内容には、医薬、バイオ(Bio)、化学素材、農薬など特許権が満了する物質の抄録、代表請求項、存続期間の満了日、特許トラブルの事項などの特許情報や有効成分の構造式、用途、商品名、許可日などの製品情報が含まれる。

2014年に満了する特許物質は計258件で、医薬分野が47.3%(122件)が最も多く、次にバイオ26.0%(67件)、化学素材17.4%(45件)、農薬7.0%(18件)の順となっている。

満了予定の物質の代表例としては、高脂血症の治療財成分ロスバスタチンカリウム(2014.4満了)、子宮頸部がんのワクチンとされるヒトパピローマウイルスL1たんぱく質(2014.5)、食道炎治療剤成分のオメプラゾール塩(2014.7)などがあり、ロスバスタチンカリウムを用いた高脂血症の治療剤クレスト(年間約790億ウォン)をはじめ、国内の製薬市場の規模が約2,300億ウォンに達し、そのほかに満了する物質を利用した製品の市場規模まで含めると約4000億ウォンにいたると見込まれる。

また、2009年6月、強制実施の再訂申請棄却で社会的に話題となったエイズの治療剤成分「エンフビルチド(enfuvirtide)」(商品名はフュージオン)の特許権が今年11月に早期消滅されたことは注目すべきだ。

一つ注意しなければならないことは、オリジナル物質の特許が満了しても、関連の特許が存在する可能性があるため、関連従事者は、研究企画及び市場参入前に存続期間の延長や形、用途及び異性質体の特許なども検討すべきだ。

今回、特許庁が提供した特許権満了の物質情報資料集は、上記の内容が多く盛り込まれ、非常に有用だと考えられる。

さらに、満了予定の物質の中で、製品化されたのは約12.8%にすぎず、製品化されていない物質は、改良物質、用途開発、製品化などの研究が積極的に行われ、より大きな市場の創出が可能と期待されている。

特許審査3局のコ・ジュンホ局長は、「特許庁が提供する存続期間満了予定の物質の情報は、政府3.0のパラダイムに適合した対国民サービスとして、本資料に基づいて重複研究を防ぎ、製品化と用途開発を促すだけでなく、より質の高い需要者に合わせた情報のための基礎思慮として利用され、新たな知的財産サービス事業の創出と活性化の礎になることを期待する」と述べた。

韓国特許庁が公開する2014年存続期間満了の物質特許情報は、韓国特許庁(http://www.kipo.go.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)のほか、韓国化学産業連合会(http://www.kocic.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、特許情報院(http://www.kipi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、韓国保険産業振興院(http://www.khidi.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)、韓国製薬協会(http://www.kpma.or.kr外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)などのホームページに同時掲載される。

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