知的財産ニュース [知財共同訴訟制を緊急診断](1)特許紛争の解消法は知財制度改善

2013年1月12日
出所: 電子新聞

3983

「特許がどれほど重要だと思いますか?」企業の特許に対する重要性が高まりつつある。今後、特許紛争に巻き込まれる可能性があるという認識が広がり、韓国の特許紛争解決システムの改善を求める声が高まっている。弁理士共同訴訟代理権の問題以外に何が見直されるべきか、業界の声を聞いた。

特許の重要性に関するアンケート調査に応えた企業の75.1%が「大事だ」と回答した。「大事ではない」という意見(3.2%)よりはるかに高くなっている。特許の重要性を5点に換算した場合、大手企業が4.5点と答え、中堅企業(3.93点)・中小企業(3.97)点より特許を非常に重要であると認識している。

業界では、サムスン電子とアップルの特許係争を受け、自社も今後、特許紛争に巻き込まれる可能性があると考えている。韓国では、まだ懲罰的な損害賠償額制度が導入されず、被害が大きくはない。しかし、輸出企業を中心に特許紛争が発生すれば、巨額の被害を受ける可能性を認識しているということだ。

大手企業では、自社の特許に侵害訴訟が提起された場合、巨額の資金を投じて対応する余力が十分にある。しかし、中小・中堅企業は、訴訟代理人の選任費用も不足している上、適切な対応戦略を構築していない。

韓国の知財権制度に見直しが必要だという指摘のフォーカスも当然「費用問題」に当たる。今回のアンケート調査でも「訴訟代理人の選任費用の負担が大きい」という意見が大多数を占めた。「特許審査を公正に進めるべきだ」という意見は、特許紛争を回避できるよう、審査段階から適切な措置が必要だというのが業界の見方を反映している。中小企業からは、「特許登録の資金支援」を求める声までもあがっている。大手企業を相手に特許侵害訴訟を行った場合、相対的に対応力の低い中小企業を制度で支援すべきだという声も出ている。

今回の「国内の知財権制度見直しのためのアンケート」は、計309社を対象に行われた。回答した企業の93.9%が知財権を保有しており、10社のうち、1社は特許係争の経験を有している。この10年間の特許係争件数の平均は、2.13件と調査された。

クォン・ドンジュン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195