知的財産ニュース 「ナイク」「アビバス」…ニセモノ商標消える

2013年1月20日
出所: 電子新聞

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審査官の目をくらます「ニセモノ(類似)」商標が消える。

韓国特許庁は、機械的に類似商標を見つけ出す「スマート図形商標検索システム」を導入すると20日に発表した。早ければ下半期からサービスを開始する。海外でも前例のないことだ。海外の特許庁も関心を示すとみられている。

このシステムは、検索エンジンで類似商標を見つけ出すことができる。今は審査官が図形商標一つ一つ直接目で確認し、類似性(侵害)の可否を判断している。韓国特許庁のデータベース(DB)には約276万2000件の商標が登録されている。そのうち図形商標は、約81万9000件だ。

検索エンジンは、従来の登録イメージ(商標)の特徴を抽出して作られる。審査官は、新規出願のイメージにある特徴を入力して類似性を判断し、侵害商標かどうかを決める。システムの導入により、審査官の業務効率が大きく改善されると期待されている。

昨年ベースの韓国特許庁商標審査官の1ヵ月間の商標審査件数は200件にのぼる。主要国に比べて業務の負担が大きい。類似商標を完璧に見分けするのは、時間的に不可能だという声がある。商標は、特許に比べて審査官の主観が多く反映されるという指摘もある。昨年の商標無効率(無効審判の引用率)は、48.1%と半分近い。

韓国特許庁は、システム稼働の結果に基づき、民間への公開と輸出を推進する。民間に公開すれば、商標出願を準備している企業は類似商標が登録されているかどうかを事前に確認でき、紛争回避ができる。商標紛争は、大半が一般に知られ始める頃に発生するため、敗訴した企業は相当の被害を受ける。

例えば、全国に営業店を展開している企業が敗訴すれば、看板などを全て変えなければならない。特許庁情報企画課キム・ヒテ課長は、「システム開発によって商標審査官の審査時間を画期的に改善できると期待している。技術的な完成度を見極めて民間公開と輸出を行うかどうかを決めたい」と述べた。韓国特許庁は、先月に独自のテストを実施した。結果、完璧に近い検索の正確度を確認したと伝えた。

キム・ジュンベ記者

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