知的財産ニュース 知財金融の活性化にエンジンがかかった

2013年7月30日
出所: 電子新聞

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知的財産金融が創造経済を実現する手段として注目され、政府部署全体から活性化策が積極的に提示されている。知財金融の認識を拡大し、産業知財権・著作権など、知財価値評価システムの信頼を高めることに焦点を合わせた。知財取引の活性化につながる金融優遇策も設けられた。

金融委員会・国家知識財産委員会・特許庁・中小企業庁など、各部署が合同で30日に発表した「創造経済の実現に向けた知財金融活性化策」は、創意的なアイデアが保障される創造経済の環境を構築する目的で設けられた。24日の知財委は、「知財・技術評価の政府系機関による協議会」を開催し、知財金融の活性化に向けた価値評価システムの改善策を発表した。

現在の知財金融は、知財活用に対する認識の不足と、金融界のリスク回避の傾向、技術評価保障に基づいた保障・貸出し型支援の限界、専門性・インフラの不足による知財取引・評価の問題などを抱えている。知財委が提案した価値評価の改善策は、知財金融の活性化のために先に解決すべき知財価値評価の信頼を高めるためのものだ。知財委は、知財価値評価の体制を構築し、評価の手続きから要素、基準、情報などのガイドラインを提示することを決めた。すでに進められている知財取引の情報をDB化し、知財金融関係機関が活用できるようとする案についても合意した。

今回発表された知財金融活性化策は、知財金融へのアプローチをしやすくすることに重点を置いた。積極な取引のため、知財買収資金の優遇保証を新設した。一般保証は、一般的なローン資金を対象に85%の保証比率、保証量は1.2~1.3%程度だ。新たに導入される知財買収資金の優遇保証は、知財買収資金に90~95%の保証比率、保証量は30bp~50bp優遇する。

現在、技術補償基金を中心に特許価値評価に基づいて保証を提供する特許権の技術価値連携保証制度が運営されている。韓国政府は、特許をはじめ、デザイン、実用新案、著作権などの様々な知財に適用できる「知財価値評価保証」を拡大する。最大50億ウォンを限度に、保証比率は90~100%だ。保証料も減免する。

知財関連の金融の活用も活性化させる計画だ。現在、信用補償基金は、貸出し債権回収のリスクを回避できる貸出債権保険を提供する。技術保証金は、売り上げ債務を保証する商取引担保保証を運用中にある。金融委は、「売上債権保険は、現金フローの安定性のための制度だが、特許権などのロイヤルティ基盤の売上債権保険の活用はあまりされていない状態だ。技術補償基金の商取引担保補償も、ロイヤルティ売り上げ債務に基づいた保証供給の実績はない」と説明した。すなわち、回収リスクを減らす金融では、知財分野の活用が不十分だったという意味だ。そのため、韓国政府は、知財ライセンスなどのロイヤルティ関連貸出債権保険と、売り上げ債務保証量を一般的な債権保険などと区別して優遇することを決めた。

未来部も参加する。ミライブは、30日、大学と政府系研究機関が保有している優秀な研究成果の技術移転、技術に基づいた創業を支援するため、技術補償基金と「基礎・オリジナルR&D成果など事業化の支援に向けた了解覚書」を締結した。未来太規模が事業化できそうな技術を定め、経済性などを分析し、技術移転を受けた中小・ベンチ企業や創業者が事業化資金が必要な場合、技術保証を提供する。

事業化を担当する1機関あたり、最大50億ウォンを提供し、2017年まで計5000億ウォン規模が支援に投じられる見込みだ。未来部は、R&Dの成果と技術金融を連携した「研究成果の事業化支援事業(36億ウォン)」を先月からスタートし、74の事業化有望技術を選定した。10月までに選定された技術の経済性・市場性の分析など、コンサルタントを支援する。

クォン・ドンジュン記者

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