知的財産ニュース 急成長するモバゲー 商標権や特許など知財紛争も急増

2013年9月2日
出所: 電子新聞

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スマートフォンの普及にともない、モバイルゲーム産業が急成長ぶりを示し、知的財産関連の紛争事例も急増している。ゲームの人気を象徴する商標権から、技術要素を扱う特許権まで、様々な産業財産権紛争が起きている。

2日、韓国で人気を集めているモバイルゲーム「アニパン」の制作会社「サンデートーズ」と商標権紛争中のアニメーション制作・書籍出版社「グッドエンジョイ」が最近、他のコンテンツ・出版会社にアニパン(Ani-Pang、商標・サービス登録票登録第9811号)に対する通常実施権を付与したことが確認された。

特許審判院がグッドエンジョイの商標権を認めた時点の前後に、インターネットの漫画・小説サービス会社「ミスターブルー」とコンテンツ制作・販売会社「キャンプエム」にライセンス契約を通じてロイヤルティを受け取ると契約したのだ。通常実施権は、特許の権利を前に出してそれを貸し出したり、販売できる使用権利を意味する。知財業界の関係者は、「グッドエンジョイの通常実施権設定が特許法院の判決に影響を与えかねない。サンデートーズには圧迫となる部分なのでは」と説明した。

アニパンとユアンドアイなどが知財紛争に巻き込まれたのは、モバイルゲーム産業の成長による当然の結果だというのが専門家の味方だ。韓国コンテンツ振興院が発表した資料によると、2011年のモバイルゲーム市場の規模は、4236億ウォンだ。今年9180億ウォン、来年は1兆2580億ウォンにまで成長すると見込まれている。ある弁理士によると、「産業が成長すると、関連メーカーが特許権などをきちんと保護され、市場で影響力を及ぼせる知財戦略を確立するようになる」という。

海外のモバイルゲーム市場も「知財紛争の安全地帯」ではない。モバイルゲームメーカー「ゲームビル」は、2006年、アメリカに法人を設立し売り上げを拡大していたが、4月に特許訴訟を提起された。アメリカの特許管理会社「ロードシス」がゲーム決済システム関連の特許を侵害したとして提訴したのだ。

廣開土研究所のカン・ミンス代表弁理士は、「ロードシスがアップルとアップルストアのゲーム決済システム課何連のライセンスを締結したが、コンテンツの供給メーカーも含まれるのか、契約関係があいまいだ。ゲームビルだけでなく、ほかのモバイルゲーム高級メーカーまで被害が拡大する可能性もある」と説明した。

専門家は、技術と商標などを潜航調査し侵害要素を事前に回避すべきだとアドバイスする。ある弁理士は、「モバイルゲーム関連メーカーは、スタートアップ・ベンチャなどが多く、知財管理に手を抜きがちだ。安定的なサービス供給のためには、知財回策を徹底にしなければならない」とコメントした。

クォン・ドンジュン記者

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