知的財産ニュース 金融界 知財支援ブーム

2013年8月11日
出所: 電子新聞

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韓国政府が想像経済のエンジンとして知的財産権の活性化をかかげ、金融界も数兆円規模の支援を行う。金融界が担保と実績がなく、銀行の敷居が高かった技術型中小企業の支援に積極的に乗り出す。

国策銀行と保証機関に続き、民間の金融会社も競って知財を組み合わせたローンを発売し、様々な支援策を設けるなど、優良な知財中小・ベンチャー企業を取り込むための競争をはじめた。専門家は、知財金融支援策が産業の活性化にまでつながるためには、公正な知財価値評価の基準が急がれると指摘する。

企業銀行は、今年、特許・実用新案・著作権など、知財を保有している企業に対し2500億ウォン規模の支援を決めた。500億ウォンは直接投資、2000億ウォンは貸出しの形で支援する。同銀行は、「知的財産基盤の中小企業に資金を貸し出す「知財保有企業に対する保証付貸出し」も2000億ウォン規模で運用する。すでに知財ファンドに100億ウォン(5件)、文化コンテンツ知財には40億ウォン(21件)を支援した」と説明した。

KB国民銀行も5月から「KB技術想像企業の成長支援ローン」をはじめた。知財企業の資金繰りを解決するため、技術補償基金から技術保証書と技術評価認証書を受けた企業に保証付貸出し+信用貸出しを支援する。

ハナ銀行は、知財を担保として求める与信システムの見直し作業に突入した。主管部署となっている中小企業部と審査部間の協議を経て、与信金融支援に知財を対象とする作業を進めている。シンハン銀行は、金融界では初めて、知財企業から有望技術を保有した企業をも支援するため、技術評価専門部署の産業技術評価チームを新設した。

優秀な技術を保有している企業向けの「技術型創業企業ローン」も登場した。ウリ銀行の関係者は、「特許と実用新案、営業権を保有した企業は、初期のR&D投資費用により、シートバランスなどの実績がよくない。これを踏まえ、審査用件を緩和する作業を行っており、運転資金の支援策を設けて8月中に実施する計画だ」と述べた。

産業銀行や輸出入銀行などの国策銀行も知財分野に史上最高値の資金を投じる方針だ。産業銀行は、知財専門企業を始め、技術型企業を支援するため、3兆ウォンの創造経済特別資金を投入する。知財企業の世界化に向け、輸出入銀行は、下半期だけで1500億ウォンを投じる。その他、信用保証基金と技術保証基金も今年、知財保証にそれぞれ3000億ウォン、2000億ウォンを投じるという。

創造経済の活性化を掲げた金融支援が相次ぎ、一部からは、重複投資の防止と、価値評価の基準が先行されるべきだという指摘も出ている。未来の収益に基づいた知財の特徴上、市場では、価値評価の結果に信頼はなく、客観的な価値の検証と金融界内での審査・評価人材を配置すべきだという主張だ。

韓国知識財産研究院のリュ・テギュ研究委員は、「信頼を担保する専門人材、DB活用システムの基盤が弱い。専門評価機関の育成と管理戦略が求められている」と強調した。

キル・ジェシク記者

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