知的財産ニュース OLEDテレビ時代の主役(OLED分野の特許動向)

2013年8月20日
出所: 韓国特許庁

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最近、LG電子とサムスン電子が競って超大型、曲面型OLEDテレビを発売して消費者の目をひきつけている。これに伴い、「OLED」という用語に注目が集められている。

OLEDとのは、「Organic Light Emitting Diode(有機発光ダイオード)」の頭文字をとって作られた名前で、電流を小出しにすると光る有機化合物を利用したディスプレーを意味する用語だ。従来のLCD(液晶画面)のようにバックライトが不必要で、薄くて曲げられるというメリットがあり、電子紙や透明ディスプレー、フレキシブル・ディスプレーのコア部品として使われている。

OLED製品の競争が激しくなり、より効率高く、かつ安定した素材の必要性が高まり、これを開発するOLED素材分野での競争も一層激しくなっている。

韓国特許庁の資料によると、最近10年間(2003年から2012年)の OLED素材に計3,433件の出願がなされ、このうち、内国人の出願が1,917件と55.8%を、外国人の出願が1516件と44.2%を占めている。一方、最近では、外国人の出願件数が減少傾向にあると把握されている。

国内出願人では、最近10年間、サムスンSDIをはじめとするサムスンの系列会社が371件、LG化学をはじめとするLG系列会社が348件を出願し、両社の出願が最も多く、そのほかには、SFC(135件)、第一毛織(114件)、トクサンハイメタル(92件)が出願をしている。

外国の出願人では、出光興産が257件と最も多い出願を行っており、韓国ベンチャー「クラセル」社を買収したダウアドバンストディスプレイ社(190件)がその後に続いている。

超大型OLEDテレビ市場が開花し、それにともなうOLED素材の消費量が飛躍的に増加そると予想され、こうした流れに一段と弾みをつけ、安定的かつ効率の高いOLED素材を提供しようとする各メーカーの開発競争は一層激しくなると見込まれている。

年度別におけるOLED素材関連の特許出願動向

年度

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

合計

内国人

62

134

168

197

168

158

264

252

245

269

1,917

(55.8%)

外国人

101

154

198

163

167

176

206

205

104

42

1,516

(44.2%)

合計

163

288

366

360

335

334

470

457

349

311

3,433

(100%)

図:年度別における特許出願件数グラフ

最近10年間(2003~2012)の多出願した内国・外国人

順位

内国人

件数

外国人

件数

1

サムスンSDIなどサムスン系列会社

371

出光興産

257

2

LG化学などLG系列会社

348

ダウアドバンストディスプレイ

190

3

SFC

135

ハンドウタイ

135

4

第一毛織

114

メルク・パテントゲエンべハ

105

5

トクサンハイメタル

92

EIデュポン

74

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