知的財産ニュース 中小企業の事業化に特許活用度が高い

2013年1月16日
出所: デジタルタイムズ

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事例1.真空パック器メーカーである「ロールパック」は、日本市場を狙った新製品を開発する過程で韓国特許庁の「中小企業の知財活用戦略事業」の支援を受けた。事業を通じて会社が保有している知的財産の分析から、日本現地のトレンドを反映したデザイン開発、現地のバイヤーとの交渉に必要なモックアップ(外見を実物そっくりに似せた模型)まで支援を受け、新しい製品デザインを仕上げることができた。これに基づき、日本の真空パック器メーカーと200万ドルの輸出契約を締結するという結果を出した。

事例2.機能性化粧品メーカーである「アミコスメティック」は、様々な特許を保有しているにもかかわらず、財務状況が悪く、事業化推進に苦しんでいた。会社が保有している特許技術の現物出資を通じて資本を拡大できるという情報を得て韓国特許庁に「特許技術評価事業」を申し込んだ。その後、特許技術評価を受けて4億2000万ウォンの現物出資に成功、財務健全性を確保して本格的な事業化を推進することが可能になった。

韓国特許庁は、中小企業の特許利用の活性化を目的に実施している「中小企業の知財活用戦略事業」と「特許技術評価事業」の成果が目に見えて出てきたと16日に発表した。

両事業は、世界的に競争力のある特許を保有しながらも市場調査、事業化戦略の確立、資金繰りなどが足かせとなり、事業化を実現できていない中小企業のために施行されている。

「中小企業の知財活用戦略事業」は、中小企業が保有している特許分析の結果に基づき、市場に通じる商品を開発できるよう、市場調査、競合会社の分析、製品の設計などを支援し、事業化のための実効戦略を提示する。

一方、「特許技術評価事業」は、特許の価値を評価し、中小企業がそれを現物出資、事業の妥当性分析などの様々な用途に利用できるように支援する。特に、評価された特許の価値に基づき、事業化資金を技術補償基金やベンチャー・キャピタルなどと連携した「金融連携評価」も支援している。

金融連携評価の場合、これまでの3年間、612社に1261億ウォンの補償・投資・貸し出しを行って事業化資金を支援し、中小企業の特許事業化に貢献している。

韓国特許庁産業財産政策課のク・ヨンミン課長は、「特許の事業化を迅速かつ有効に推進するためには、特許が金融機関からその価値について正しい評価を受け、実質的な資金調達の手段として利用できるようにする技術金融モデルが重要だ。これからは、金融機関との協力強化を基盤に既存の技術金融支援モデル意外にも、さらに多様なビジネスモデルを確立できるよう、政策研究を行っていく計画だ。」と述べた。

イ・ジュンギ記者

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