知的財産ニュース サムスン 特許専門会社通じて特許買収中

2013年8月22日
出所: 電子新聞

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サムスン電子が特許管理専門会社(特許管理会社)を通じてコア特許を購入していることが確認された。 安価で特許を取得し、買い取った特許情報を保護するため、第三者譲受け方式を選んだという分析だ。特許紛争が発生した時、戦略的な対応もできるという評価だ。

廣開土研究所によると、最近3年間、グローバルIT企業が特許管理会社から特許を買収した件数は、アップルが859件で最も多く、サムスン電子(143件)、HTC(87件)、LG電子(21件)、マイクロン(9件)、パナソニック(5件)が後を続いた。ロックスタービドコから取得した特許が97.4%(837件)であるが、同社がアップルの子会社のため、業界では、ロックスタービドコの保有特許がアップル所有だとすれば、実質的な特許管理会社の特許買収件数1位はサムスンだと分析している。

サムスンが特許を譲受した特許管理会社は、RPX(67件)、テクノルロジープロパティス(39件)、CSR(21件)などだ。RPXは、特許訴訟などの攻撃型ビジネスモデルよりは、特許プールを構築し、会員会社からロイヤリティーを受ける守り型ビジネスモデルで有名な特許管理会社だ。サムスンがRPXから購入した特許は、電話通信、多重通信、音声技術などに関する特許が多数を占めた。

専門家は、サムスンが特許管理会社から特許を買い取る理由は、価格とセキュリティだと説明する。サムスンがRPXから購入した特許は、AMDが出願してサクソンという特許管理会社を経てRPXの手に入った特許だ。 RPXが保有した期間は、1週間も過ぎていない。

廣開土研究所のカン・ミンス代表弁理士は、「RPXは、サムスンが購入しようとする特許の流通(ブローカー)の役割をしたといえる。特許管理会社から特許を買収すると、サムスンがどういう特許をほしがっているのかの情報が表に出ないため、特許情報が露出せず、特許価格が上昇しない」と説明した。サムスンの立場では、安価で、買収の事実を公開しないで特許を確保したのだ。カン代表弁理士は、さらに「数十件以上の特許が売買されれば、特許別の情報を把握するのが難しくなって、特許紛争が発生した時、相手を攻撃しやすい」と付け加えた。

グローバルIT企業と取引する特許管理会社は、取引先の競合会社とは特許取引を行わない傾向がある。例えば、サムスンと取引している特許管理会社のRPX、テクノルロジプロポティス、CSRなどは、アップルやLG電子と特許取引をしない。逆にアップルが特許を取引したウォーカーデジタルや、インテレクチュアルベンチャーズ(IV)などは、サムスンをはじめとする競合会社に特許取引をしないという説明だ。カン代表弁理士は、「IT企業を中心に特許管理会社が合従連衡している」と説明した。

クォン・ドンジュン

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