知的財産ニュース 来年からはビックデータで特許トラブルを予測

2013年12月12日
出所: 電子新聞

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3Dプリンターメーカー「3Dシステムズ」は、先月8日、自社が保有している8件の特許で競合会社の「フォームラボ」を相手に訴訟を提起した。昨年にもフォームラボと「キックスタート」社と特許係争を繰り広げるなど、3Dシステムズは、3Dプリント分野では訴訟の可能性が高い企業として分類される。3Dシステムズは、昨年と今年、それぞれ39件、80件の特許を買収するなど、3Dプリント分野の特許競争力を利用して市場をリードしている。

来年からビックデータ78を利用して企業の特許トラブルをあらかじめ予測し対応できるオンラインサービスが開始される。韓国電子情報通信産業振興会の特許支援センターは、12日、ソウルで開催された「2014年ICT産業国際特許紛争展望セミナー」で自国企業が効率的に特許トラブルを予測し備えられる「特許紛争予報システム(IPCAS64T)」を発表し、来年1月から開始すると発表した。

これまでは、国別に知的財産関連の訴訟と特許情報があったが、単純な検索サービスにとどまっていた。海外の先進企業とICT分野の特許トラブルが急増し、企業の競争力を維持するうえでネックとなっていたため、2011年から知識経済部(現在の産業通商資源部)と未来創造科学部から予算をもらって米国登録特許を中心にトラブル予測システムの開発に着手した。

IPCASTは、情報通信機器や部品、ソフトウェアなど、ICT企業が特許管理会社と競合企業からの特許攻撃に対応しきれていない状況を解消するため構築された低コストで特許トラブルが予測できるウェブ基盤システムだ。

特許トラブル件数の多い米国に登録されている490万の特許のなかで、訴訟リスクが高い特許を検索できる。最近の10年間行われた3万8000あまりの特許訴訟と、トラブルに用いられた3万9000の特許(原審ベース)を特許権者、引用関係など40項目別に原因と結果などをきめ細かく分析できる。米国裁判所、米国国際貿易委員会(ITC)の訴訟動向と特定の技術・品目・分野などで発生する特許トラブル同士の関係性も把握できる。企業が関心を持つ訴訟と特許などを選択しておけば、定期的にお知らせするサービスもある。特許を高リスクから低リスクまで9つに格付けして管理する。

特許支援センターは、「来年以降からは、欧州・日本・中国などのグローバル知財紛争予測システムを拡大し、公共部門のビックデータだけでなく、メディア・企業・協会・インターネットなどの民間分野の特許関連ビックデータを含め、ICT特許紛争を予測する。関連データをモニタリング・分析・加工して特許トラブルを予測・予防できるシステムを構築・運営する計画だ」と説明した。

クォン・ドンジュン記者

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