知的財産ニュース 2次電池特許係争でSK勝訴 

2013年4月12日
出所: デジタルタイムズ

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SKイノベーションがLG化学との特許係争で再び勝訴した。LG化学が直ちに上告するという意向を示し、両社の特許係争は大法院(最高裁判所)にまで争うことになりそうだ。

11日、LG科学の電気自動車向けバッテリーなど、リチウムイオン2次電池のコア素材であるセパレート特許無効審判訴訟の判決において、特許裁判所は、SKイノベーションの主張を受け入れ、特許裁判院と同じく無効判決を言い渡した。特許裁判所は、この日の判決で先行技術と比べて新規性がないと判断し、無効判決を言い渡したという。

これと関連し、特許裁判院は、昨年8月にSKイノベーションが提起した特許無効審判の審決で「特許のコア技術であるセパレートに塗布された活性層気孔構造の請求範囲が広く、先行技術から開始されたセパレート気孔構造を一部含めている」としてSKイノベーションに軍配を上げた。

問題となったLG化学のセパレート特許は、従来のセパレートに塗布された活性層の気孔構造を用いて熱収縮と電機的なショートが発生しない、安全性を一層向上させた技術として知られている。LG化学は2005年に該当技術の開発に成功した。

一方、SKイノベーションもその翌年にリチウムイオンセパレート(LiBS)の独自生産に成功し、LG化学より先に商用化した。2011年、「無機物コーティングセパレート」特許をSKイノベーションが盗用したとしてLG化学がソウル中央地裁に特許侵害差し止め及び損害賠償請求訴訟を提起し裁判沙汰が始まった。

SKイノベーションは、独自技術であることを認められるため、韓国特許庁特許裁判院に特許の無効審判を提起した。今回、その控訴審に当たる特許裁判所でも勝訴を勝ち取り、SKに有利な展開となった。

SKイノベーションの関係者は、「今回の勝訴により、部品素材の国産化への取り組みを改めて認められた。これからも独自の技術力を足場に、未来の有望産業である電気自動車向けバッテリーやセパレートなどの新再生エネルギー事業に能力を集中していく考えだ」と歓迎の意を示した。

LG化学は、今回の判決は認められないとして直ちに上告する構えだ。LG化学の関係者は、「LG化学の安全性強化セパレート(SRS)の特許は、米国などの海外特許庁や国内外の自動車メーカーから認められた独自の特許だ。海外で認められた特許が、逆に国内では否定された。直ちに大法院に上告する」と述べた。

世界のセパレート市場は、2009年から年平均30%近くの成長率となり、昨年の市場規模は1兆2000億ウォンだ。SKイノベーションは、19%のシェアで韓国1位、世界3位を占めている。

パク・ジョンイル記者

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