知的財産ニュース インテマティックス「蛍光体の販売禁止ではない」攻防続く

2013年2月13日
出所: 電子新聞

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蛍光体の特許権をめぐる韓国の発光ダイオード市場(LED)を舞台にした三菱化学と米インテマティックスの攻防が続いている。

インテマティックスは、「ソウル中央地方裁判所の5日の判決は、自社の窒化物系赤色蛍光体が三菱製品と類似性があると判決しただけで、販売を差し止めたわけではない」と13日に主張した。三菱は前に「裁判所がインテマティックスと韓国の販売会社GVPに蛍光体製品の韓国内の販売禁止判決を言い渡した」と発表したことがある。インテマティックスが三菱の窒化物系赤色蛍光体特許(韓国特許第816693号)を侵害した事実を認めたという内容だった。

インテマティックスは、「訴訟対象の窒化物系赤色蛍光体は、自社の計4種類の製品群(R、ER、PR、XR)のうちRとERのみで全ての製品の販売・使用に制約はない」と主張した。また、三菱の窒化物系赤色蛍光体に対する特許無効訴訟を昨年9月に提起した状態であり、今回の判決も高等裁判所に上告する計画だという。

三菱は、これについて「裁判所は判決で販売(譲渡)だけでなく、輸入と申し込み(営業活動)まで全て禁止したほか、保管中の製品も全量廃棄を命じた」主張している。一方、インテマティックスは、判決に「仮執行の宣告」が含まれていないということを説明しただけだと主張した。仮執行宣告は、判決確定前の強制執行(販売差止めなど)が可能であると宣言することを意味する。

三菱の関係者は、「原審では、三菱の主張は全て引用され、インテマティックスの主張は全て退けられた。控訴審で結論が変わる可能性はゼロに近い。インテマティックスが控訴すれば、積極的に応じて主張の不当性を明らかにしていく計画だ」と述べた。

ユ・ソンイル記者

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