知的財産ニュース サムスン対アップルの最後弁論、最後まで「三つ巴の戦い」

2012年8月22日
出所: デジタルタイムス

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「アップルが長方形を開発したわけではない」vs
「サムスン商品をアップルの商品だと勘違いして購入する可能性がある」

米国時間の21日、米国カリフォルニア裁判所で行なわれたサムスンとアップルの最後弁論(closing argument)でも両社は、一歩も譲らない接戦を演出した。

主要外国メディアは、この日、消費者が各商品を混同し、勘違いしたまま購入する可能性があるかどうかについて最後弁論を始めたと報じた。

アップル側の弁護士は、「一般の人ならサムスンとアップル商品の差を認識できず、サムスン商品をアップルの商品だと勘違いして購入する可能性がある」と主張した。彼は、ベストバイ調査の例を挙げながら、多数の消費者が「ギャラクシーTab」をアイパッドと混同して購入したと述べた。

これに対し、サンスン側の弁護士は、「スマートフォンやタブレッドPCは、高価な商品であるため、消費者は、ミスでもしない限り、購入する前に多くの情報を見比べてから選択する」と反論した。

アップルが主張しているデザイン特許についても両社の主張は大きく食い違っていた。アップルは、アイフォンのデザインには明確で機能的な要素を盛り込まれていると主張した一方、サンスンは、「アップルが長方形を発明したわけではない」と批判した。アップルのデザインが一般的で先行的な技術であるだけに、アップルが主張しているようにアップルだけのデザインではないということだ。サムスンは、特に機能的な特許としてのサムスンのUI、アンドロイド起動などを例に挙げ、アップルの主張しているデザイン特許とは「はっきりと区別できる」と主張した。

最大の争点である損害賠償額についても両側は、異見を狭めることができなかった。アップルは、4つの損害賠償のシナリオを提示し、最大24億8100万ドルから最低5億1900万ドルを損害賠償額として提示した。一方、サムスンは、特許侵害事実を最後まで否定し、アップルが要求していた損害賠償額27億5000万ドルはあり得ないと主張した。

金ユジョン記者

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