知的財産ニュース サムスン電子、日本で勝利…影響は限られる

2012年8月31日
出所: 電子新聞

3714

米国では負けとなったサムスン電子が日本で反撃のチャンスを得た。

日本裁判所は、一部本案訴訟でサムスン電子がアップルの特許を侵害していないという結論を出した。一部技術についての判決ではあるが、米国で完敗したサムスン電子が他の国では挽回できる可能性が示されたためだ。

日本裁判所の判決、どこが違うか

東京地方裁判所の民事合意40部は、サムスン電子が「メディアプレイヤーコンテンツとコンピュータの情報を同期化する方式」についてアップルの特許を侵害していないと判決した。

アップルは、サムスン電子のギャラクシー商品のデータ共有構造がアップルの特許技術と同じだと主張した。サムスンは、PCに初めて接続すると誰でも使用できる技術だと反論した。日本の裁判部は、「アップルの特許は、サムスン電子に該当しない」と判示した。

ソホソン・クアリア国際特許法律事務所の代表弁理士は、「日本の裁判部は、韓国と同様に技術権利を優先する傾向が強い。韓国の裁判部と同じく、アップルの特許以前に先行技術などを問うたと見られる。」と分析した。

判決の影響は

特許専門家は、アップルが圧勝した米国とは違い、世界諸国で少しずつ異なる判決を下していることに注目した。専門家らは、口を揃えて「米国で完敗したサムスン電子が日本では勝利したが、影響はごく限られたものになる。」と予想した。

日本の判決が韓国や米国の裁判所で焦点となったアップルのデザイン特許とユーザーインタフェース(UI)ではなかったためだ。アップルにとって、非常にマイナーな訴訟であり、敗訴の被害が大きくない。サムスン電子も勝ち数を上げたが、中心的な争点ではない内容だ。

アジュヤンホンのイ・チャンフン弁護士は、「日本の中間判決は、サムスン電子とアップル間で争点になっている内容ではない。サムスン電子に大きな転機にはならないだろう。」とコメントした。

ボールは欧州に

裁判争いは、今月から欧州が主な舞台となる。

ドイツとオランダで審理が行なわれる予定だ。サムスン電子は、第2四半期に西欧州の携帯電話市場で史上最高の41.4%のシェアを記録し、ノキアを2倍以上も上回った。東欧州でも2四半期連続1位となるなど、欧州市場では、アップルより高いシェアを占めている。サムスン電子としては、シェア率の高い欧州で有利な判決を得ないと被害を最小限にとどめることは難しくなる。

昨年、ドイツとオランダでギャラクシーシリーズとギャラクシーTabの販売が禁止されたサムスン電子は、最近、イギリスではアップルのデザインを侵害していないという判決を受けるなど、各国において異なる判決が出されている。

キム・インスン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
担当者:大塚、柳(ユ)、李(イ)、半田
E-mail:kos-jetroipr@jetro.go.jp
Tel :+82-2-3210-0195