知的財産ニュース 知的財産の専門人材「不足」

2012年9月13日
出所: 電子新聞

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韓国政府が特許大国を掲げ、知的財産分野の競争力強化に取り組んできているものの、知的財産サービス業界では専門人材の不足で苦しんでいる。人材の採用と教育への支援が切実に求められているという声が浮上している。

韓国特許庁と韓国知識財産サービス協会は、韓国の知的財産サービス産業の実態を調査した結果、知財サービス業界の57.2%が専門人材不足を認識していたと13日発表した。知財を活用する公共機関と知財サービス専門企業では、それぞれ80%と74.5%が人材不足だと答え、特許事務所(53.6%)より専門人材の不足が深刻であることが判明した。

知財専門人材の不足の原因は、育成システムが整っていないということが産業界の分析だ。現在、知財サービス分野で教育プログラムを活発に運営しているのは2箇所程度だ。民間では、ウィップスが2007年から知財教育センターを運営している。

知識財産サービス協会も昨年から韓国特許庁の支援を受け、知財専門人材の採用連携教育を実施している。しかし、規模が小さく、専門人材の育成には不十分である。知識財産サービス協会のイム・ヒソブ事務局長は、「1年に2回実施する教育プログラムに30人ほど参加している。産業界の要求が多く、来年からは約100人程度に増やす計画だ。」と述べた。採用連携教育について業界の半分程度(47.1%)が知財サービス業界の人材難を解消すると期待を示した。

知財サービス産業の零細さも人材不足の原因として指摘された。昨年の知的財産サービスの年間売上高が1億ウォン未満の企業が全体の48.1%と半分を占めた。業種別の従業員数も10人未満の51.9%だった。事業規模が小さいため、サービス産業の活性化に向けた政府の支援が切実に求められるという声が多い。

業界の答えは、政府の早急推進課題に「知的財産サービス事業のマーケティング・新規需要の創出支援」が50.3%と最も高かった。「知的財産サービス企業に対する投資支援(44.4%)」、「知的財産専門人材の育成及び雇用支援(36.4%)」がその後に続いた。ウィップスのイ・ヒョンチル代表は、「業界でも積極的にサービスPRや人材育成に取り組んでいるが、不十分な場合が多い。政府機関の支援計画が動き始めたので、業界でその効果を実感できるかどうか待っている状況だ。」と述べた。

業界で採用を計画している専門人材は、必要人員より不足しており、人材難はしばらく続くと見られる。今後2年間、業務を円滑に行うために必要な人材は、約2208人だ。しかし、企業の経営条件を踏まえた場合、実際に採用可能な人材は1878人程度の85.1%であると調査された。

クォン・ドンジュン記者

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