知的財産ニュース 「IPを活用してR&D活性化」キャンペーンを展開

2012年10月18日
出所: 韓国特許庁

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韓国特許庁は、「知的財産権(IP)中心のR&D革新戦略(以下、「IP-R&D連携戦略」)」を民間に拡大させるため、17日、参加機関であるR&D特許センターに「IP-R&D拡大支援本部」を設け、産・官・学のCEOや教授などで構成された「IP-R&Dリーダーズクラブ」の発足式を開催した。

「IP-R&D連携戦略」は、特許を研究開発の結果として見なしていたこれまでの観点から脱し、研究開発の企画段階から特許情報を積極的に取り入れ、コア・基幹特許を創出するほか、特許攻勢に積極的に対応する方策を設けることにその目的がある。

これまで韓国特許庁は、「IP-R&D連携戦略」を政府のR&D事業のみならず、中小・中堅企業などの民間分野のR&Dにまで拡大し、産・官・学のR&Dの効率性と知財権の競争力を向上できるよう支援してきた。

2009年から始まった民間IP-R&D支援事業の場合、昨年だけで約120社の中小・中堅企業を支援・新規特許363件出願・349億ウォンの予算削減・3,320億ウォンの売上高増大などという効果をもたらし、参加企業から好評を受けていた。

これまで、韓国特許庁の「IP-R&D連携戦略」の方法論は、産業界と学界からその有用性を検証されたが、限られた予算などの理由で自治体、大学・政府系研究機関及び民間への本格的な拡大に向けてのインフラ構築には限界が[1]あった。

そのため、IP-R&D事業を主管するR&D特許センター内に「IP-R&D拡大支援本部」を新設し、2013年からは、大学・政府系研究機関、中小・中堅企業などの主な需要期間を対象に、オーダーメイドのIP-R&D方法論を共有し、需要企業と特許情報専門機関とをリンクさせる自由な仲介システムを構築する予定だ。また、増加する需要を民間が受け皿になるよう、IP-R&D専門人材の養成にも取り組むという。

IP-R&Dの方法論を経験した産・官・学の代表者50人で構成された「IP-R&Dリーダーズクラブ」は、事業の効率化に向けた改善策を設け、IP-R&D方法論の開発支援、優秀事例の紹介など、様々なIP-R&D拡大活動を推進する計画だ。

キム・ホウォン庁長は、「イノベーション主導型の経済成長に向け、知的財産都R&Dを連携する戦略の拡大は不可欠であり、民間への拡大を通じて中小・中堅企業などにR&D投資の効率を高め、強い特許を創出できる基盤を構築する効果があるだろう。」と強調した。


注記

[1] これまでR&Dを行なった中小企業の0.98%、中堅企業の6.7%、全体R&D人員の0.74%のみが韓国特許庁のIP-R&D事業に参加した。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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