知的財産ニュース 世界のIP専門家、「韓国」を再評価

2012年10月21日
出所: 電子新聞

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世界の知的財産(IP)の専門家が韓国に注目している。IPの権力がアジアにシフトしているという意見も提起された。

国際知的財産保護協会(AIPPI)の第43回世界総会が20日からソウルで開かれた。AIPPIは、1897年に創立してから115年の歴史を誇るIP関連の国際民間団体だ。100ヵ国から9000人以上のIP専門家が会員として活動している。AIPPI総会は、2年に1度開催国を変えて開かれている。

韓国AIPPIのキム・ソンギ会長は、「韓国の産業が成長し、IP専門家の間で韓国企業が重要な`プレイヤー′となりつつある。韓国を除いてはIPを論ずることはできなくなっている。」と述べた。

AIPPIがアジアで開催されたのは1992年以降で20年ぶりだ。キム会長は、「中国もAIPPIを誘致しようとしたが、成功できなかった」と説明した。AIPPIでは、特許・商標・デザイン・著作権を含めるIP関連の世界的な懸案や最近の動向を検討する。新しい国際条約や各国の立法推進、現制度の見直しなどのための協議が行なわれる。

先進5ヵ国特許庁グループ(IP5)には、韓国をはじめ米国・欧州・中国・日本が含まれている。今後は、アジアがさらに注目され、産業の根幹をなす基幹技術と知的財産権の中心もアジアにシフトしているということが専門家の意見だ。キム会長は、「これまでは米国や欧州などで開かれ、その地域の懸案が主に扱われてきたAIPPI総会だが、今年は、サムソン電子とアップルの特許合戦で浮き彫りになった制度的な問題を議論した。特許出願と産業に関しては、日中韓は無視できなくなっている。」と述べた。IP権力の中心が徐々に韓国を中心とした東アジアにシフトしているという意味だ。

これに先立ち、18日、ソウルで開かれた「世界知的財産首脳会議(GIPS)」も韓国の地位を再確認する場となった。GIPSでは、韓国の代表として参加した大韓弁理士会が直接提案した「ソウル知的財産コミュニケ」を公式に採択した。

ソウル会議をきっかけに、これまでの専門家の集まりという性格から脱し、国際民間合議体として発足されたことも意味ある成果だといえる。

GIPSの議長は、「IPは、技術革新に基づいて構成される。韓国でGIPSとAIPPIが開催されたことには、韓国が世界で最も技術革新のスピードが速い国だという評価も影響した。IPの保護と創出における韓国の役割が強調されている。」と述べた。

クォン・ドンジュン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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