知的財産ニュース 先進5ヵ国特許庁、審査基準統一に向けた第一歩

2012年11月2日
出所: 韓国特許庁

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日本・米国・欧州・中国・韓国の5大特許大国の審査官が特許審査業務の連携に向けた実質的な協力強化に乗り出した。

韓国特許庁は、10月22日から26日まで中国の北京で開かれたIP5審査官ワークショップに機械・化学・電気電子・情報通信分野の審査官が参加したと発表した。

先進5ヵ国の特許庁は、2008年10月「済州IP5会議」で、審査協力について10大の基盤課題の推進に合意しており、現在、特許の分類(WG1)、特許行政の情報化(WG2)、特許審査政策(WG3)、特許統計(WGstat)の4つの実務グループに分けて協力課題を議論している。

IP5大国に出願された特許の割合が世界全体の75%を超えている中、特許が重複出願されて審査処理が遅れてしまう問題を解決するため、5カ国間ベースの審査協力が求められていた。

審査官ワークショップは、特許審査の協力を目的に合意された10大の基盤課題のなかでも、特に審査結果における相互信頼が構築できるよう、韓国特許庁の主導で推進している協力課題である。

審査の意見についての討論とともに、毎回テーマを定めて話し合いが行われている。第1回の韓国(大田)開催を皮切りに第2回欧州(ミュンヘン)、第3回米国(ワシントン)までは、各国の検索及び審査の試演など、審査環境を紹介することに重点が置かれてきた。

しかし、第4回の中国(北京)審査官ワークショップでは、インターネットで公開される情報の取り扱いなど、各国の特許性審査基準を詳細に比較し、特許審査の基準と審査実務の調和を本格的に議論したという点で非常に意義深いといえる。

IP5特許庁を代表する同技術分野の審査官が同一な出願に対し、特許性の判断手続きと基準に沿って意見を交換することで、特許庁間で審査結果の相互信頼を確認し、審査結果の予測性を高める実質的な協力に乗り出したのだ。

韓国特許庁電気電子審査局のキム・ヨンホ局長は、「今回の審査官ワークショップをきっかけに、IP5国間の特許性審査基準を統一させ、積極的な特許審査の国際協調を図り、韓国に特許登録されれば他国にも登録可能にして1つの特許が世界で通じる環境が構築できるよう取り組んでいきたい。」と述べた。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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