知的財産ニュース 「韓国・知的財産戦略構築ラウンドテーブル(関西)」(特許庁委託事業)を開催しました。

2012年2月20日

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日本の先端部品・素材企業は、その高い技術力と質の高い知的財産を背景に、国際的な競争力を確保し、韓国においても優位にビジネスを展開してまいりました。しかし、韓国大手企業の躍進に伴い、その優位性が脅かされつつあります。また、韓国政府においても、これまでの日本の先端部品・素材企業に対する依存度の高さ、この分野における対日貿易赤字の大きさを国家の重要な課題としてとらえ、総力を挙げて先端部品や素材分野の企業育成、技術力向上にまい進しており、先に発表した「部品・素材未来ビジョン2020」(韓国知識経済部)によると、先端部品・素材分野の輸出額で2020年までに日本を抜くことを明確なターゲットとしております。

このような状況の中、今後も日本の先端部品・素材企業が競争力を維持していくためには、技術力の確保と共に、競争力の源泉である知的財産の戦略的な活用がこれまで以上に重要となります。

昨年6月、韓国において「部品素材分野における韓国・知的財産戦略構築ラウンドテーブル」を開催し、韓国における知的財産経営の問題点を抽出し、それに対する戦略について意見交換を行いましたが、参加企業各社において、さらに深化した議論を求める声が多く寄せられました。

そこで、今般、先端部品・素材企業が多く集まる関西において、これまでの議論を踏まえ、より活発に、より深化した議論を行うべく、クローズドにおいて「韓国・知的財産戦略構築ラウンドテーブル(関西)」を開催し、48名の参加の下、各社の対応や今後の対策について活発な意見交換を行い、特に大手顧客となった韓国大手企業に対する知財戦略、サンプル提供や人材流出による技術情報漏えいの防止といった「守り」の観点、知的財産の行使や知財人材育成といった「攻め」の観点から議論を行い、韓国における知財経営の在り方、今後の方向性について一定の成果を上げました。

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

ジェトロ・ソウル事務所 知的財産チームは、韓国の知的財産に関する各種研究、情報の収集・分析・提供、関係者に対する助言や相談、広報啓発活動、取り締まりの支援などを行っています。各種問い合わせ、相談、訪問をご希望の方はご連絡ください。
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