知的財産ニュース 無線充電技術、特許対応戦略構築に向けた民間協議体が発足

2012年12月17日
出所: 電子新聞

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次世代の成長産業として注目されている無線充電技術。そのグローバル特許権の確保と紛争回避戦略を確立に取り組む民間の協議体が発足する。特許の確保能力と紛争対応力が不足している中小企業の競争力向上に役立つとして期待が寄せられている。

韓国電子情報通信産業振興会(KEA)特許支援センターは、無線充電産業の発展基盤を固め、ネットワークを構築し事業協力を模索する「無線充電協議会」を来年3月に発足すると17日に発表した。特許基盤の研究開発(R&D)、標準化、マーケティングなど全体的な事業を支援する。

無線充電技術とは、電機エネルギーを無線伝送が可能な電磁波に変換して送る電力伝送システムだ。携帯電話端末、ノートパソコン、テレビ、照明、生体医療機器、掃除ロボット、電機自動車など、様々な領域で応用される。特許支援センターは、「無線充電市場は、磁気流動方式を用いた技術の製品化が進められており、2015年までスマートフォンを中心に急成長するだろう。告知方式技術の開発と標準化によって家電・自動車などに応用分野が拡大し、年間50%以上の成長が見込まれている」と説明する。

特許支援センターのイム・ホギセンター長は、「無線充電は、特許権の確保も大事だが、無線認証、標準化戦略など、様々な共同事業の必要性が高い分野だ。企業全体での対応を可能にするため、協力体制を構成する計画だ。」と述べた。KEAはこれまで3D、電子医療、デジタル放送装置など、成長産業分野別の協議体を構成して支援してきた。

無線充電国際標準制定の過程で中小・中堅企業が及び腰の姿勢にいるうちに大手企業や海外企業中心に標準化が行われている。イムセンター長は、「中小・中堅企業の技術が標準になかなか反映されていない。韓国企業が保有している特許権が標準技術として制定されるかどうかによって使えなくなる恐れがある。」と説明した。

無線充電協議会は、R&Dの過程で特許と標準化を連携するよう支援している。標準特許を確保して技術料の収入を増やしてR&D効率を高め、事後に発生し得る特許紛争に対応するため、先行的な対応策を設ける。同センター長は、「KEA加盟社だけでなく、韓国の無線充電分野全ての企業を対象に協議体を構成・支援していく考えだ。」と述べた。

クォン・ドンジュン記者

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