知的財産ニュース 米国裁判所「サムスンにもアップルにもリスク…合意しろ」

2012年8月17日
出所: デジタルタイムズ

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特許侵害についての本案訴訟で両社の交渉を再勧告
両社「特別な変化はない」…仲裁に失敗する可能性も

サムスンとアップルの特許侵害本案訴訟が山場に差し掛かっているなか、米国裁判所が両社の最高経営責任者(CEO)間での合意を再勧告した。しかし、こうした裁判所の決定に両社ともに懐疑的に反応を示しており、米国裁判所は仲裁に失敗する可能性が大きくなっている。

米国時間の15日、サンノゼ連邦裁判所のコウ・ルーシー裁判官は、公判が始まる直前、両側の弁護士にサムスンとアップルのCEOの間でもう1度電話による交渉を通報した。

コウ裁判官は、「両社にリスクとなっているので、少なくとももう1度は交渉を試みる価値はある。今回の裁判を通じて両社が保有している特許権の重要性を知らしめたかったのなら、そのメッセージは十分に伝わっている」とコメントした。訴訟を通じて両社が提示しようとした特許権を十分に知らせたため、今は両社が合意する時期だということだ。

コウ裁判官のこうした勧告決定は、陪審員評決を2週間前に控えている状況で負担を感じたためだと分析できる。コウ裁判官は4月と7月にも両社のCEOに合意を勧告したが、これといった成果は上げられず、激しい攻防だけが繰り広げられている。

アップルとサムスンの弁護団は、コウ裁判官の勧告を尊重するという姿勢だ。しかし、陪審員評決が迫っている状況で、両社とも大きな意味として受け入れてはいない。

業界は、コウ裁判官の勧告は、これまでもあったことであり、合意で両側のリスクを最小限に止めようとする日常的なことだと受け止めている。コウ裁判官の勧告決定で両社のCEO間の会堂は、もう1度行なわれるが、「特別な変化はない」という見方が多い。

両側ともに、今回の本案訴訟で敗訴した場合、提訴して勝負を覆したいと戦いの姿勢を示しているのだ。

金ユジョン記者

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