知的財産ニュース ノキアの特許売却、韓国メーカーに飛び火する可能性も

2012年8月13日
出所: 電子新聞

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韓国特許庁に登録された特許対象に

ノキアが特許売却通じての現金確保に乗り出した。ノキアの特許を買収した特許管理会社が韓国メーカーを狙う可能性が高くなり、懸念の声が高まっている。

13日の韓国特許庁と業界によると、最近、ノキアが米国の特許管理会社ブリンゴ(Vringo)に売却した約500件の特許に韓国特許庁に登録された3G WCDMA標準特許なども含まれているという。

スマートフォン市場でサムスンとアップルに押され、存亡の危機に立たされているノキアは、これまで蓄積してきた通信特許を売却し、現金を確保している。ノキアは、通信分野で長らく技術を育んできた企業だ。通信特許が特許管理会社の手にに入ると、韓国の携帯電話端末メーカーに少なからずの脅威となる。

ノキアは、ブリンゴに2G、3G、4G技術など500件の特許と特許出願中の技術を売却した。ブリンゴは、この特許で2200万ドル以上の売上げを創出し、このうち35%をノキアが持っていく契約を締結した。すでに約400社の特許管理会社は、韓国の携帯電話端末メーカーを相手に特許攻勢を強めており、ブリンゴによる特許訴訟可能性も排除できない。

米国と韓国に登録されたノキアの特許は、「通信システムで再配置」技術で、プロトコール終端点の再配置に関するものとして、3G通信に広く使用されている技術だと知られている。

Tech IPMの李グンホ代表(米国の弁理士)は、「ノキアが相次いで米国とカナダの特許管理会社に特許を売り、特許戦争を支援する戦略を取っている。ブリンゴに売却した技術の中では特に、韓国特許庁に登録された3G WCDMA標準特許を注目している。」と説明した。

崔ジョングク特許法律事務所の鄭ウソン弁理士は、「企業が特許資産を売却する目的は、現金確保や特許維持費用の負担低減などがあり、事業部を売却する際に、関連特許も売る事例がある。ノキアが売却する特許件数が多ければ多いほど、韓国企業を攻撃できる特許が含まれてくる可能性が高くなる。」とコメントした。

金インスン記者

ジェトロ・ソウル事務所知的財産チーム

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