知的財産ニュース 国有特許の利用が大幅に増加

2012年11月6日
出所: 韓国特許庁

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2011年477件の技術移転で500億以上の売上げが発生

国有特許の利用件数が大幅に増加している。国有特許とは、公務員が職務の遂行過程で開発した発明を国が承継し、国の名前で登録している産業財産権(特許、実用新案、デザイン)のことを意味し、韓国特許庁が技術移転及び補償などの業務を担当している。

韓国特許庁の統計資料によると、今年9月末まで登録された2,939件の国有特許のうち、543件が民間の企業に技術移転された。これは、昨年全体の技術移転件数の477件を上回る数値であり、年末まで600件以上の契約が締結されると予想されている。

このように国有特許の利用件数が毎年増加し、ここ5年間年、平均17%の増加率を示しており、関連製品の売上高の規模も2011年に500億ウォンを超えたと把握されている。

近年に続いている景気の長期低迷にもかかわらず、国有特許を利用して売上高が伸びた企業も増えている。

家畜用のワクチンを製造するA研究所の場合、農林水産検疫検査本部が開発した国有特許5件を利用して2011年の1年間、12億ウォン以上の売り上げを計上した。家畜用の診断キット製造会社B社も、3件の国有特許技術を利用して10億規模の売上げを達成した。

また、農村振興庁が開発した「固まらないお餅」の製造技術も国内だけで現在まで150万件以上の技術移転が行なわれたほか、米国でも2千万ウォン規模の技術移転契約が締結され、国有特許の海外利用の可能性を高めている。

韓国特許庁は、国有特許の利用をさらに拡大するため、農業技術分野における技術移転及び広報についての業務を、昨年12月から民間の専門技術取引機関である「農業技術実用化財団」に委託しており、現在まで、前年同期比120%以上の技術移転の成果をあげている。今後、他の技術分野の国有特許にまで委託を拡大していく計画だ。

国有特許の技術移転は、通常実施を原則としており、韓国特許庁(または、農業技術実用化財団)との随意契約を通じて一定の使用料を支払えば利用可能だ。

また、国有特許として登録されてから3年間、技術移転の実績がないか、農家・漁家の所得増大のために使用する場合には、無償で利用できる。

国有特許の詳しい内容は、韓国特許庁のホームページ及び「インターネット特許技術マーケット(IP-Mart)」を通じて確認可能であり、技術移転についての相談は、韓国特許庁産業財産振興課(042‐481-5172)が問い合わせを行っている。

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