知的財産ニュース 「国家R&D投資」の活用性が悪い

2012年9月13日
出所: デジタルタイムズ

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技術料の輸入投資費の3%に過ぎず…3分の2以上が「無用な特許」

政府が大学と公共研究所に投入する巨額の「国家R&D投資」が、特許につながるなどの有効性がないものと調査された。

政府は、大学・公共研究所に4年間147兆5826億ウォンにのぼる「国家R&D投資費」を支援したが、大学・公共研究所がR&D研究を通じて得た技術料の収入は、全体投資費の3.1%に過ぎない4593億8000万ウォンであることが分かった。

国会の知識経済委員会のチョン・ウテク議員(セヌリ党)に韓国特許庁が13日に提出した「公共研究機関・大学の特許未活用関連資料」によると、政府は、大学・公共研究所に、2007年31兆3014億ウォン、2008年34兆4981億ウォン、2009年37兆9285億ウォン、2010年43兆8546億ウォンなど、総額147兆5826億ウォンをR&D投資費として支援したと計上された。

しかし、大学・公共研究所がR&Dを通じて技術開発した後、技術移転・事業化などで得た技術料の収入は、2007年 1044億1300万ウォン、2008年 1287億8600万ウォン、2009年 1016億6700万ウォン、2010年 1245億1400万ウォンなど、総額 5414億1000万ウォンに過ぎなかった。

開発が完了した技術の活用度をはかる特許活用の割合も非常に低い水準にとどまった。
韓国知識財産研究院の「2011年知的財産活動の実態調査」の資料によると、大学・公共研究所が技術開発を完了した後、韓国特許庁に登録した特許のうち3分の2以上は活用できない特許であることが明らかになった。

2008年から2011年まで大学・公共研究所が韓国特許庁に登録した20万678件の特許のうち、活用されていない特許の割合は、71.8%(14万4000件)に達した。
さらに、大学・公共研究所が特許活用について韓国特許庁に申告する手続きがなく、韓国特許庁は、特許を保有している大学・公共研究所のなかで標本を抽出し、間接的に未活用特許割合を調査したという。

チョン議員は、「大学、 公共研究所、韓国特許庁、産業界を網羅する総合特許サイトを立ち上げ、需要者と供給者間で直接の取引が行われるよう仲介する案を設けるべきだ。」と指摘した。

イ・ホスン記者

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