知的財産ニュース ポスコ‐新日鉄「技術流出の攻防」

2012年9月9日
出所: 電子新聞

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世界の鉄鋼業界はもちろん、日韓経済界を代表する企業の未曾有の戦いが始まる。技術流出をめぐるポスコと新日本製鉄の裁判期日が10月に決まった。最近、外国企業との訴訟でサムスン電子、コーロンインダストリーが完敗した中で開かれ、より注目されている。

9月の法曹界と業界によると、新日鉄がポスコを相手に提起した民事訴訟の初裁判が10月25日に東京地方裁判所で開かれる。

4月に自社の営業秘密をポスコが不当に取得し、方向性電機鋼板を製造したとして新日鉄が日本裁判所にポスコを提訴したことによるものだ。

新日鉄は、電機鋼板販売差止め及び損害賠償を主張し、986億円、ウォンで換算すると1兆4100億ウォンという巨額の賠償金を請求した。

電機鋼板は、電気エネルギーを伝達したり、機械的なエネルギーに変えたりする鉄鋼素材だ。この一種である方向性電機鋼板は、超高圧変圧器・柱上変圧器・大型発電機などの変圧器内部の鉄芯材料として用いられている。エコの時代に向け、エネルギー効率を高める素材として需要や価格が急上昇している。

この技術が基幹事業であるだけに、両社は、強力に対応する姿勢を明らかにした。新日鉄側は、電子新聞との電話で「全ては裁判所で判断する。国内外を問わず、メディアの取材には応じない。」と話した。ポスコも強硬姿勢で新日鉄の請求が棄却できるように対応していく方針だ。ポスコと新日鉄は、戦略的な提携の関係にもかかわらず、今回の営業秘密侵害をめぐっては一歩も譲らない構えを示している。

ユン・ゴニル記者、ユン・ヒソク記者

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